終末恋愛アクション『Eternights』開発者、“予想外”の好評スタートに喜ぶ。趣味から始まった野心作、高評価を獲得

 

デベロッパーのStudio Saiは9月12日、『Eternights』を発売した。対応プラットフォームはPS4/PS5/PC(Steam/Epic Gamesストア)。発売から約2週間が経ち、本作はSteamユーザーレビューにて「非常に好評」ステータスを獲得している。これを受けて、本作の開発者はX(旧Twitter)アカウントにて感激の気持ちを表している。

『Eternights』は、感染者と戦いながらデートもする終末恋愛アクションゲームである。本作の舞台では、何らかの事態によって人間が危険なモンスターへ変貌してしまった。そんな世界で本作の主人公は、とあるきっかけから謎の力に覚醒。5人の魅力的なキャラクターたちと出会い、共に終末世界で生き抜くことになる。そして自身と愛するモノたちのためにモンスターに立ち向かうという、戦いと恋愛の物語が描かれる。

荒廃した世界で生き残るために、プレイヤーは物資探しやダンジョン探索をこなしていく必要がある。くわえて5人の個性的なキャラクターとのデートも楽しもう。彼らとの絆を深めると、戦闘用の固有スキルやスペルが習得できる。なおゲーム内の時間は限られているため、キャラとの交流や探索ではスケジュール管理が求められる。また本作の戦闘は3Dアクションで展開される。タイミング良く回避すると発生するパーフェクト回避など、しっかりしたアクション要素が備わっている。そのほか本作には日本語のボイスが搭載。フルアニメーションのカットシーンには、誰とデートするかによって変化する要素もあるそうだ。


本作は9月12日に発売され、本稿執筆時点のSteamユーザーレビューでは、1049件中89%が好評とする「非常に好評」ステータスを獲得している。ユーザーからは魅力的に表現されているキャラの個性や、アクション主体のゲームプレイ、終盤以降の演出などが評価を受けているようだ。

これらユーザーからの評価を受けて、本作開発者のfkkcloud氏は9月26日にX(旧Twitter)にて喜びや自身の気持ちを表した。同氏はインディーゲームスタジオStudio Saiを運営している個人開発者だ。これまで主に一人で本作の開発をおこなってきたようだ。今回の投稿によると、そこまで高い評価のSteamユーザーレビューステータスを獲得できるとは思っていなかったとのこと。

また同投稿では、本作のリリースに至るこれまでの道程が語られている。これによると、本作の開発は2019年ごろに趣味として始められたとのこと。当初fkkcloud氏は断片的なゲームプレイを作りsubreddit上に投稿する活動をおこなっていた。そしてある日、投資家から本作のデモ版を求められたという。7分ほどのボリュームのデモ版を提出したところ、その投資家から本作の開発資金を得るに至ったようだ。この時、同氏はAppleでフルタイムの安定した職に就いていたそうだが、仕事を辞める決断をおこなった。それから個人での集中的な開発がおこなわれ、約3年の開発期間で本作がリリースされたかたちとなる。

なおfkkcloud氏の見込みでは、本作はSteamユーザーレビューでは70%の好評を獲得できれば上出来だと考えていたそうだ。というのも、本作の開発を進めるうちにゲームの規模が大きくなり、自分のビジョンを実現できるかどうかに疑問もあったという。そのなかでは、もっと上手くできたと考えている部分もあるようだ。そうした経緯もあってか、同氏は本作開発の経験を貴重な学びの旅(valuable learning journey)だと語っている。

そうしたfkkcloud氏自身の評価とは裏腹に、本作はSteamユーザーレビューにて一部課題点が指摘されながらもおおむね好評を集める結果となった。同氏にとって、プレイヤーたちがゲームを終えて感動を覚えてくれた点などは印象深い反応となったようだ。なお同氏は投稿の最後に、近々Studio Saiの次のステップになるというニュースが発表されると述べている。本作の経験がさらに活かされた、これからの開発にも期待したい。

『Eternights』は、PC(Steam/Epic Gamesストア)/ PS4/PS5向けに発売中だ。