『オーバーウォッチ2』キリコ・ハンゾー・ゲンジの年齢が判明し「キリコが若すぎておかしい」と指摘相次ぐ。見た目はちびっこ、年齢は大人にされたシマダ兄弟
Blizzard Entertainmentは『オーバーウォッチ2』公式サイトにおける、ヒーロー紹介ページを更新した。各ヒーローページには、これまで記載されていたロール・出身地のほか、新たに「誕生日と年齢」が追加された。これを発見した海外掲示板Redditユーザーらはキリコの年齢「21歳」に注目、「設定と食い違う」として大きな反響を呼んでいる。
『オーバーウォッチ2』は、Blizzard Entertainmentが手掛けるオンライン対戦FPSゲーム。人気を博した『オーバーウォッチ』の続編として、基本プレイ無料タイトルとして配信中だ。基本対戦人数を6対6から5対5へ変更し、シーズン制の導入などで前作から一新した続編タイトルとなっている。最新シーズン「インベージョン」では、新サポートヒーロー「イラリー」が加わり、これまでに総勢38人のヒーローが登場。その一人一人に、戦いへ身を投じるに至ったバックグラウンドストーリーが存在し、デジタルコミックやWebアニメが展開されるなど、奥深い世界観を構築している。
そんな本作において、今回のヒーローページの更新により登場ヒーロー「キリコ」の年齢が21歳であることが判明。そして「ハンゾー」が40歳、弟の「ゲンジ」が37歳であることも判明したのだ。突如公式から開示されたヒーロー間での年齢差に対して、海外掲示板Redditでは多数のユーザーがどよめく反応を見せている。ユーザーらの多くは、これまでに公式から明かされたキリコおよびハンゾーとゲンジとの関係性を振り返ると“年齢の矛盾点”があるのではないか、と指摘しているのだ。
今回注目を集めているキリコは『オーバーウォッチ2』の配信開始と同時に登場したサポート・ヒーロー。一方のハンゾーとゲンジはシマダ家に出自をもち、前作から兄弟で登場しているヒーローだ。キリコとシマダ兄弟の関係性は、公式サイトのキリコ紹介ページ内オリジン・ストーリー欄でも説明されている。たとえば3人は幼少期において、共に鍛錬を積んだといった設定が存在。なかでも、キリコとゲンジは特に親しくしていたとされ、 ボイスラインには、 「幼少期に二人がお揃いでおかっぱ頭にした」過去を思い返すやり取りも存在する。 しかし、そうした一連の設定や描写を今回判明したキリコの年齢(21歳)とそれぞれ37歳と40歳であるシマダ兄弟の年齢差(16歳/19歳差)と照らし合わせると、矛盾が生じる部分があるとのユーザー指摘が出ているのだ。
たとえば、上記画像(オリジン・ストーリー動画の一場面)におけるキリコが「やたらと成長が速い4歳児」だったと仮定しよう。キリコの母から指導を受けているゲンジは、20歳ということになる。幼いキリコとともに竹刀を握るその姿からは、にわかに想像し難い年齢だ。ハンゾーはもう少々大人びて見え、23歳に見えなくはないかもしれない。
しかし上述の画像では、さらに違和感が浮き彫りになる。こちらはキリコの過去を描く公式ショートアニメーションの一幕。キリコ・ゲンジ・ハンゾーとその家族による微笑ましい記念写真だ。このキリコを「ものすごく成長が速い1歳児」だったと強いて見積もろう。それでも逆算すればゲンジは17歳、ハンゾーは20歳となるはず。しかしどちらも小学生から中学生くらいにしか見えず、描写として矛盾があるといえるだろう。
描写面でこうした年齢設定との矛盾が見られる他方で、設定面でも矛盾は生じる。幼少期のキリコとゲンジは前述の通り仲がよかったとされ、お揃いのおかっぱ頭の一件のほか、厨房からお菓子を盗むなどのイタズラをしたり、近所のゲームセンターで遊んだとされている。ゲンジはかつてやんちゃな性格だったとの設定があるとはいえ、当時20歳前後のはず。それでも実際に少年のように奔放に遊び回っていた可能性もあるものの、ハンゾーが「弟を何とかしろ」とシマダ家の長老たちに命じられるのも無理はない振る舞いだろう。一連の設定からは、キリコ・ゲンジ・ハンゾーを幼なじみ、あるいは三兄妹のように描こうとした一方で、後からの年齢設定が乖離してしまった印象を受ける。
こうした事態に対し、 Redditでは多くのユーザーが、『オーバーウォッチ』初期から登場しているシマダ兄弟たちの設定を尊重する向きの投稿を寄せている。とあるユーザーは一連の物議を解消するために「Blizzardはキリコの1を8(28歳)にすべきだ」と主張し、それに対し「2を3(31歳)にすべきだろう」と捻りをきかせた指摘をするユーザーも見うけられる。つまりキリコの年齢を上乗せして、辻褄を合わせてしまえという発想だ。
ちなみに、キリコのキャラクター設定に関しては、以前より同作ファンコミュニティの間で物議を醸していた。年齢以外の設定では、キリコがゲーム内でも披露している体術や神秘の力といった技能の習得過程への疑問があげられている。オリジン・ストーリーの動画内では、キリコは幼少期の時点で母からは武術を、祖母からは「お狐様」の神秘を並行して学んだと見うけられる場面が登場する。一方ヒーロー紹介ページでは、キリコは祖母の元に身を寄せたのちに巫女として「お狐様」との絆を結んだとされている。ほかにも公式設定で時系列が矛盾する箇所もあり、こうした設定の齟齬が注目されてきたことを下地に、今回の年齢設定の矛盾に多くの指摘が寄せられたわけだ。
今回話題となったキリコに限らず、『オーバーウォッチ2』に登場するヒーローたちは、それぞれが奥深いバックグラウンドストーリーをもっている。今回の年齢開示に対してコミュニティから寄せられた指摘も、そうした世界観構築を尊重してほしいユーザーが多数存在することのあらわれなのかもしれない。これからも展開されていくであろう同作の世界観において、キリコとシマダ兄弟のようなヒーローの関係性がどのように補完されていくのか、今後も注目したい。
『オーバーウォッチ2』はPC(Battle.net/Steam)/PS4/PS5/Xbox One/Xbox Series X|S/Nintendo Switch向けに基本プレイ無料で配信中だ。