開発元閉鎖の『セインツロウ』や『Red Faction』はそれでも“生き続ける”と新たに発表される。パブリッシャーPLAIONがIPを継承
『セインツロウ』シリーズなどの開発元として知られるデベロッパーのVolitionが9月1日、親会社Embracer Groupが進める組織再編に伴い、スタジオを閉鎖した。これを受けて、同スタジオが手がけてきたIPは、同じグループに属するパブリッシャーPLAIONに引き継がれることが新たに明らかになった。
Volitionは、1993年設立のParallax Softwareを前身とするアメリカのデベロッパーだ。この30年の歴史のなかでは、いくつかの企業の傘下に入って活動。オープンワールドアクションゲーム『セインツロウ』シリーズや『Red Faction』シリーズ、『Descent』シリーズ、『Agents of Mayhem』などを手がけ、2022年8月にはリブート版となる『Saints Row』を発売している。
発表によると、親会社Embracer Groupが今年6月に発表した組織再編プログラムの一環として、今回Volitionは閉鎖されることとなった。Embracer Groupは、数多くのスタジオ・IP買収を重ねてきた大規模投資モードからのビジネス戦略の転換をおこなうとしており、事業リスクの低減と収益性の向上を目指すなかで、Volitionの閉鎖が決定したようだ(関連記事)。
そして今回のスタジオ閉鎖の報を受けて、かつてVolitionを傘下にもったパブリッシャーPLAIONのレーベルDeep Silverがコメント。共に仕事をした当時を振り返り同スタジオを惜しみつつ、『セインツロウ』や『Red Faction』といったIPは、PLAIONのもとで生き続けるとした。
PLAIONは、ドイツのKoch Mediaを前身とするパブリッシャーだ。2018年にEmbracer Groupの傘下に入り、2022年にPLAIONへとブランドを変更した。Embracer Groupのもとでは、いくつかある運営グループの一角を担い、Deep SilverやPrime Matter、Ravenscourt、Milestone、Flying Wild Hogなどのパブリッシャー/デベロッパーを管轄。これまでには、『Dead Island 2』や『Chorus』『Hot Wheels Unleashed』『Warlander』などのほか、リブート版『Saints Row』も手がけた。
Volitionは、運営グループとしてはGearbox Entertainmentのもとで活動していたが、それ以前はDeep Silverの傘下にあった。Deep Silverは『セインツロウ』シリーズ作品を数多く販売してきた実績があり、同社を抱えるPLAIONは、VolitionのIPを預ける先として最適だと判断されたのかもしれない。今後『セインツロウ』シリーズや『Red Faction』シリーズなどの新作が発表される際には、どのデベロッパーが起用され、どういった作品となるのか注目されそうだ。