Epic Gamesは8月23日、Epic GamesストアにてPCゲームなどを配信するサードパーティデベロッパーを対象とした「EPICファーストランプログラム」を発表した。最初の6か月間を同ストアでの独占販売とすることで、参加デベロッパーとEpic Gamesとの収益配分が100対0、すなわち純収益の100%を受け取れるプログラムとなる。
Epic GamesストアでのデベロッパーとEpic Gamesとの収益配分は、通常は88対12とされており、Steamなどが採用する70対30と比べてデベロッパーに有利な条件が適用されている。そして今回発表されたEPICファーストランプログラムに参加すると、100対0へとデベロッパーの取り分が最大限にまで引き上げられることとなる。
同プログラムへの参加条件は、新作リリースの最初の6か月間をEpic Gamesストア独占販売とすること。早期アクセス配信でも利用できる。そして6か月が過ぎると、通常の88対12の収益配分へと移行し、他社ストアでも販売可能となる仕組み。米国時間10月16日以降に発売される新作より参加可能とのこと。他社ストアやサブスクリプションサービスですでに配信されているタイトルは対象外だ。
なお独占販売期間内であっても、デベロッパーが自社ストアで直接ユーザーに販売することは認められている。また、Humble BundleやGreen Man Gaming、Fanaticalなど、Epic Gamesと提携しEpic Gamesストア版ゲームを取り扱うストアでの配信も可能とのこと。これらのストアでは、Epic Gamesアカウントと連携したキーレス配信システムが導入されている。
EPICファーストランプログラムに参加中の製品には、収益配分の増加以外に、Epic Gamesストアでの露出も提供される。ストア上では新たなEpic限定バッジが配され、新しいホームページ配置にて、専用コレクションと共にストアをブラウズするユーザーに提示される。さらに、製品は該当するセールス、イベント、エディトリアルを含む関連ストアキャンペーンで紹介されるそうだ。
Epic Gamesストアでは、従来はEpic Gamesによって選定されたタイトルが配信されてきたが、今年3月からは、要件を満たすデベロッパーやパブリッシャーなら誰でもEpic Gamesストアで配信できる、セルフパブリッシングツールの提供が開始。EPICファーストランプログラムは、そうした自社販売タイトルの中から独占タイトルを確保する狙いがあるといえるだろう。
Epic Gamesストアというと、2018年末のローンチ以来、独占タイトルの配信にて存在感を高めてきた一面がある。一方で、たとえばSteam向けに発表されていながら、のちにEpic Gamesストア独占とされ批判を受けるタイトルも少なくない。EPICファーストランプログラムのFAQによると、ほかのストアで発表済みのタイトルであっても、同プログラムに参加可能だという。参加を検討するデベロッパーにおいては、自らのファンにも配慮しながらリリース計画を練ることが求められそうだ。