『オーバーウォッチ2』開発者、Nintendo Switch版開発は“大きな頭痛の種”とこぼす。一方で継続サポートしたいし「良いボトルネック」とポジティブ

Blizzard Entertainmentは8月11日、『オーバーウォッチ2』の新シーズン「インベージョン」を開始。実装された「ストーリー任務」に関する海外メディアのインタビューにて、開発者はNintendo Switch版の開発の難しさについて語っている。

Blizzard Entertainmentは8月11日、『オーバーウォッチ2』の新シーズン「インベージョン」を開始。新たなマップやゲームモードなどのほか、PvEモードとなる「ストーリー任務」が実装された。このPvEモードに関して海外メディアDexertoが開発者へのインタビューを実施しており、そのなかではNintendo Switch版の開発の難しさについて語られた。


『オーバーウォッチ2』は、チーム対戦型FPS『オーバーウォッチ』の続編で、PC/Nintendo Switch/PS4/PS5/Xbox One/Xbox Series X|S向けに基本プレイ無料にて配信中。新シーズン開幕にあわせて用意された「ストーリー任務」は、ストーリー要素のある大規模PvEモードである。より広いマップをもち、多くの敵が画面上に同時に描画されることもあり、海外メディアDexertoはインタビューにて、Blizzardはどのようにして同コンテンツを幅広いプラットフォームに届けることができたのかを問うた。

この質問の念頭にあるのは、発売から6年が過ぎ、他機種よりもハードウェアのパワーで劣るNintendo Switch向けの開発についてだ。これについて本作のシニアゲームデザイナーDylan Snyder氏は、Nintendo Switchのサポートは同社として希望していることだとしつつ、Nintendo Switchは「最大のボトルネックとなっている(that’s the biggest bottleneck we have)」と述べた。

一方で同氏は、「回りくどい変な言い方だけど、良いボトルネックともいえる(it’s almost a nice bottleneck we have, in a weird, roundabout way)」ともコメント。Nintendo Switchで動作させることができたなら、ほかの機種でも快適に動作することが見込める、というのが理由だそうだ。


もっとも、Nintendo Switch向けの開発は容易ではないようで、Snyder氏は「かなり大きな頭痛の種」であったと振り返る。多くのメモリを解放するために新しいツールやシステムを開発する必要があり、またPvEモード向けにはさまざまなトリックも取り入れたそうだ。たとえば、ミッションの進行にあわせてエリアを閉じ、マップのパーツを取り下げるといった、PvPモードでは通常やらないことをおこなっているという。

ほかにも、本作のオーディオ・テクニカルナラティブディレクターScott Lawlor氏は、鳴らすボイスの数を調整したと明かす。Nintendo Switchでの動作に問題が生じた場合には、ボイスの数を減らして対応したそうだ。快適な動作を実現するためのこうした調整には多くのスタッフが携わったそうで、Snyder氏は彼らの仕事ぶりに賛辞の言葉を贈っている。

マルチプラットフォームタイトルにおいては、最近ではPS4/Xbox One向けが見送られる作品が増えつつあるが、一方で本作のようにNintendo Switchを含め幅広いプラットフォームのサポートを続ける作品もまだ多い。そうしたタイトルは、今回明かされたような工夫がさまざま取り入れられてリリースが実現しているのかもしれない。

オーバーウォッチ2』は、PC(Battle.net/Steam)/Nintendo Switch/PS4/PS5/Xbox One/Xbox Series X|S向けに基本プレイ無料にて配信中だ。

Taijiro Yamanaka
Taijiro Yamanaka

国内外のゲームニュースを好物としています。購入するゲームとプレイできる時間のバランス感覚が悪く、積みゲーを崩しつつさらに積んでいく日々。

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