『ゼルダの伝説 ティアーズ オブ ザ キングダム』の売上が国内の一部GDP増加を牽引か。“新しいゲームソフト”の発売が個人消費を伸ばしたと内閣府担当者

 

内閣府は8月15日、2023年4〜6月期の国内総生産(GDP)の1次速報値を公表した。このなかで、GDPの過半を占める個人消費のうち半耐久財が前期比2.8%増を記録。その要因として、任天堂の『ゼルダの伝説 ティアーズ オブ ザ キングダム』の発売が影響した可能性があるという。毎日新聞が報じている。

2023年4〜6月期のGDP速報値において、個人消費は前期比0.5%減と、3四半期ぶりにマイナスに転じた。長引く物価高により飲食料品が落ち込み、また白物家電も下押し要因となったとされる。一方で、個人消費のうち衣服や娯楽商品などにあたる半耐久財が前期比2.8%増を記録した。この数値について毎日新聞は、際立って伸びたと指摘。そしてその要因について内閣府担当者が、ゲームソフトにて「新しいものが発売された」ためであると見解を述べたという。

この4〜6月の間には多数のゲームが発売され、たとえば『ファイナルファンタジーXVI』や『ストリートファイター6』など大型タイトルも少なくない。なかでも特に大きな成功を収めたタイトルというと、5月12日にNintendo Switch向けに発売された『ゼルダの伝説 ティアーズ オブ ザ キングダム』が挙げられるだろう。

https://www.youtube.com/watch?v=yn3SHPHnuGU


『ゼルダの伝説 ティアーズ オブ ザ キングダム』は、5月12日の発売後わずか3日間で世界累計販売本数が1000万本を突破(うち国内は224万本)。「もっとも早く売れた任天堂ゲーム」としてのギネス世界記録の更新にも繋がった。ちなみに先に挙げたタイトルの売り上げとしては、『ファイナルファンタジーXVI』は発売から1週間で全世界で300万本を突破(パッケージ出荷本数とダウンロード販売数の合計)。『ストリートファイター6』は約1か月で全世界での販売本数が200万本を突破している。

任天堂は2024年3月期第1四半期(2023年4〜6月)の決算にて、本作の売上本数は6月末までに1851万本を記録したとし、同期の自社ソフトウェアのセルスルーとしてはNintendo Switchの発売以来最大となったと報告。また、本作のヒットによるNintendo Switch本体の販売への牽引効果もみられたとし、同社は四半期純利益として過去最高を記録するに至った。

2023年4〜6月期GDP速報値の個人消費のうち、半耐久財が前期比2.8%増を記録したことについて、内閣府担当者はゲームソフトの発売を要因として挙げたとのことだが、具体的にどのタイトルを意図していたのかは不明。ただ毎日新聞は、上述したような『ゼルダの伝説 ティアーズ オブ ザ キングダム』の記録的なヒットの一端が、国の経済指標にも反映された可能性があると報じることとなった。





※ The English version of this article is available here