入国審査官シム『Papers, Please』発売10周年を記念し、“デメイク”版『LCD, Please』が無料公開。ゲーム&ウオッチ風入国審査

 

インディー開発者のLucas Pope氏は8月9日、入国審査官シミュレーションゲーム『Papers, Please』が発売10周年を迎えたとし、公式サイトに記念ページを公開。また、本作を“デメイク”したゲーム『LCD, Please』をPC(itch.io)向けに公開した。

『Papers, Please』は、架空の共産主義国アルストツカにて、入国審査官として働くシミュレーションゲームだ。プレイヤーは国境検問所にて、入国希望者からパスポートと必要な書類の提出を受け、精査したのち、入国の許可あるいは不許可のスタンプを押す。たとえば、書類の有効期限が切れていたり、複数の書類で情報が一致しなかったり、そもそも必要な書類を所持していなかったりする人物は、入国させるわけにはいかない。

プレイヤーには、審査をおこなった人数に応じて毎日給料が支払われる。日々生活するために、少ない給料から家賃や食費、暖房費などを賄い、また主人公は家族を養わなければならず、難しい選択に迫られるだろう。より多くの審査をこなせばより多く稼げるが、書類の不備などを見逃してしまうと、当局から罰金を科されてしまう。一方で、入国希望者のなかにはワケありの者もおり、彼らの事情を聞き、罰金覚悟で入国させるかどうかはプレイヤー次第となる。

本作は、2013年8月8日にPC向けにリリース。Steamでは現時点で約5万5000件ものユーザーレビューが投稿され、その内の97%が好評とする「圧倒的に好評」ステータスを得るなど非常に高く評価された。本作はPS Vitaやモバイル向けにも移植されている。また開発者のLucas Pope氏としては、その後手がけた『Return of the Obra Dinn』でも高評価を得ることとなった。


このたび本作は発売10周年を迎え、これを記念した『LCD, Please』が公開された。本作をゲーム&ウオッチのような電子ゲーム風にデメイクした作品となっており、Webブラウザにて無料でプレイ可能。『Papers, Please』での入国審査を簡易的に再現したゲームプレイが採用され、難易度はEasyとHardから選択できる。

ゲームの流れはというと、入国希望者がやって来て名前や出身地などを申告。そしてパスポートを提出させ、申告された情報と一致しているかを確認する。また、本人の顔がパスポートの写真と一致しているかについても細かな特徴までチェックし、すべて問題ないならApprove(承認)ボタンを押して入国させる。不一致点がある場合はDeny(拒否)ボタンを押して退去させる。

Hardモードではこうした基本的なゲームプレイに、Wanted(指名手配者)とBanned(入国禁止対象国)、そしてVIP(重要人物)の要素が加わる。Viewボタンを押すと入国希望者の申告を再確認ができ、さらに押すとWantedやBannedの対象も確認可能。対象者であると判明した場合は、問答無用で退去させなければならない。また、VIPにはViewボタンが使えないため、特徴を見逃さないように注意したい。


『Papers, Please』は、PC(Steam/GOG.com)/iOS/Android向けに配信中。発売10周年記念セールが8月11日まで全プラットフォームで実施されており、たとえばSteam版は80%オフの196円で購入可能だ。

そして本作のデメイク版『LCD, Please』は、PC(itch.io)向けに公開中。Webブラウザにて無料でプレイできるため、興味のある方はぜひチェックしてみてはいかがだろうか。