リアルすぎる注目FPS『Unrecord』を騙る“無関係Web広告”が出回る。開発者は詐欺広告であると注意喚起

 

インディースタジオDRAMAのクリエイティブディレクターAlexandre Spindler氏は8月1日、現在同スタジオが開発中のFPS『Unrecord』のトレイラーが、無関係のゲーム作品による“詐欺的な広告”に使用されているとして注意喚起した。


『Unrecord』は、警察の特殊部隊メンバーとなるシングルプレイのFPSだ。プレイヤーは犯罪の現場にて捜査をおこない、そのなかでは犯人との銃撃戦になることもある。また、現場で遭遇した人物に対し、セリフを選択して質問したり、自らの行動を選んだりできる場面があり、リアルタイムにおこなわれるその選択によってゲーム体験が変化していくという。なかにはジレンマに陥るような難しい選択に迫られることもあるとのこと。

本作は、主人公が装備しているボディカメラで撮影されたという設定の一人称視点が採用。その映像が披露された当時には、非常にリアルなビジュアルが話題となった。開発にはUnreal Engine 5が用いられ、公開されたゲームプレイトレイラーでは、カメラの自然な揺れと相まって、実写と見紛うような場面も。また、本作には独自のフリーエイミングシステムが導入され、銃を握る手の動きに制限がないリアルなADS表現が特徴となっている。

https://twitter.com/esankiy/status/1686383787285086208


そんな本作のゲームプレイトレイラーについて、開発元DRAMAのクリエイティブディレクターAlexandre Spindler氏は8月1日、YouTube上での“詐欺的な広告”に利用されていると注意喚起した。投稿された証拠画像を確認すると、本作のトレイラーがそのまま広告映像として流され、本作と同名の無料作品への誘導がおこなわれていることがうかがえる。広告主についても、同スタジオと同名でロゴも盗用している。

『Unrecord』は発表以来大きな注目を集めていることから、本作を早くプレイしたいと思っているゲーマーを狙った詐欺広告だといえそうだ。なお、広告に表示されているURLは、現在は活動していないゲームニュースサイトの模様であるが、この意図は不明。Spindler氏は、『Unrecord』はまだ発売されていないとし、こうした広告を目にしてもクリックせずGoogleに報告するように呼びかけた。また同氏のスタジオとしても、この問題に対処しているとのことだ。


Web上のゲーム広告を巡っては、人気作品の素材が、まったく無関係の作品の広告に無断使用される例がたびたび報告されている。昨年には、任天堂の潜水艦アクションゲーム『スティールダイバー サブウォーズ』のスクリーンショットが盗用され、同作のディレクターを務めた元任天堂の今村孝矢氏が被害を訴えて注目された(関連記事)。

また先日には、『ドット勇者~三時のおやつと昼寝付きの冒険~』なるゲームの広告が物議を醸した。『不思議のダンジョン 風来のシレン5 フォーチュンタワーと運命のダイス』『ショベルナイト』のゲーム内背景や、『スーパーマリオUSA』『沙羅曼蛇』のBGMなどが、広告で盗用されているとの指摘が相次いだのだ(関連記事)。この件については、その後販売元が事実関係を認め謝罪。広告の素材制作および運用を委託した外部企業による行為であったとし、委託契約解除と当該広告の取り下げを発表している。


『Unrecord』はPC(Steam)向けに開発中で、配信時期は未定。今年4月時点ではまだプリプロダクション段階であると報告され、また開発元は現在多数の職種のスタッフを募集中のため、完成までにはまだしばらく時間がかかる模様である。今回報告されたような広告を見ることがあっても、クリックしないよう注意されたい。