高評価メトロイドヴァニア『Vigil』、突如配信が終了に。メーカーからの告知なくユーザーに困惑広がる

『Vigil: The Longest Night』のPC(Steam/Epic Gamesストア)版が、7月27日に配信終了した。またNintendo Switch版も、一部地域を除き配信終了。これまでに開発元や販売元からは一切の告知がなく、突然の出来事にユーザーのあいだで困惑が広がっている。

台湾のデベロッパーGlass Heart Gamesが手がけたアクションゲーム『Vigil: The Longest Night』のPC(Steam/Epic Gamesストア)版が、7月27日に配信終了した。またNintendo Switch版も、一部地域を除き配信終了。これまでに開発元や販売元からは一切の告知がなく、突然の出来事にユーザーのあいだで困惑が広がっている。

『Vigil: The Longest Night』は、狂気の闇に包まれた世界を舞台にする2Dアクションゲームだ。「クトゥルフ神話」で知られる作家H.P.ラヴクラフト風の散文や、開発元の拠点である台湾の文化、そして中国の剪紙から影響を受けたアートを融合させた世界観が採用。夜警と呼ばれる任務に就く主人公レイラは、地域にはびこる悪魔のような生物から故郷を守るため、夜が明けることのない世界で戦う。

本作は『悪魔城ドラキュラ』や『Salt and Sanctuary』から影響を受けていることが公言されており、プレイヤーは洞窟や廃村、森などのエリアがある広大なマップを探索しながら、強力な敵に立ち向かう。武器には剣・斧・デュアルブレード・弓があり、魔法のような奥義も習得可能。各武器やレイラの基本ステータスは、レベルアップ時に獲得できるスキルポイントを消費し、スキルツリーにて強化していくことができる。

上述した『Salt and Sanctuary』は、2D版『ダークソウル』とも評された人気作であり、本作も難易度の高さが特徴のひとつ(難易度調整可能)。そうした歯ごたえある戦闘や探索要素、そしてダークな世界観などが評価され、Steamでは約3000件のユーザーレビューが投稿。現時点で「非常に好評」ステータスを獲得している。


本作は2020年10月にPC/Nintendo Switch向けに配信開始。開発元Glass Heart Gamesのデビュー作ながら、先述したように高い評価を受けた。しかし先日7月27日に突如配信終了となり、各プラットフォームのストアから姿を消した。これを受けてSteamの掲示板などでは、何故配信終了となったのか困惑するユーザーらがみられる。なお本稿執筆時点では、少なくとも米国とカナダのニンテンドーeショップではまだ購入可能だが、日本を含めほかの国ではストアページが削除された状況にある。

本作の配信終了については、Glass Heart Gamesからも販売元のNeon Doctrineからも特に告知されておらず、理由についてははっきりしない。一般的には、販売元と開発元の契約が終了したり、販売元が閉鎖などで事業終了したり、あるいはゲーム内に何らかの権利侵害が確認されたりした場合に、その作品がストアから取り下げられることがある。

本作に関しては、Neon Doctrineの公式サイトを確認すると、取扱タイトルから本作が削除されている。このことから察するに、販売契約は終了しているのかもしれない。ただ、これが今回の配信終了の理由かどうかは不明。弊誌では、Neon DoctrineおよびGlass Heart Gamesに対し、『Vigil: The Longest Night』が配信終了となった理由や配信再開の可能性について問い合わせており、回答があれば追記する。

Taijiro Yamanaka
Taijiro Yamanaka

国内外のゲームニュースを好物としています。購入するゲームとプレイできる時間のバランス感覚が悪く、積みゲーを崩しつつさらに積んでいく日々。

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