陰謀と裏切りのファンタジーRPG『バテン・カイトス Ⅰ&Ⅱ HD Remaster』9月14日発売へ。倍速機能など6種追加でテンポ大幅改善

 

バンダイナムコエンターテインメントは6月20日、『バテン・カイトス Ⅰ&Ⅱ HD Remaster』を9月14日に発売すると発表した。通常版の価格は税別5400円。対応プラットフォームはNintendo Switch。


『バテン・カイトス Ⅰ&Ⅱ HD Remaster』は、ニンテンドーゲームキューブ向けRPG『バテン・カイトス 終わらない翼と失われた海』(以下、バテン・カイトスI)、および『バテン・カイトスII 始まりの翼と神々の嗣子』(以下、バテン・カイトスII)をリマスターしてセットにしたタイトルだ。『バテン・カイトスI』では大空に浮かぶ大陸を舞台に、強大な帝国アルファルドと対峙する主人公カラスの冒険が描かれる。『バテン・カイトスII』は前作の20年前を舞台としており、主人公がサギに代わって新たな物語が展開される。

本シリーズではファンタジー世界にて物語が繰り広げられる。装備品や回復アイテム、魔法などがマグナスと呼ばれるカードとして所持される。戦闘はマグナスを用いたカードバトルとして展開。あらかじめ構築したデッキからランダムに配られるカードで戦闘を切り抜けていく。また本作においては、信頼関係や裏切りといった人間ドラマが展開。先の読めない物語と、カードを使ったバトルが本作の特徴だ。


『バテン・カイトス Ⅰ&Ⅱ HD Remaster』では、グラフィックがHD化。バトル中の背景データ、キャラクターグラフィック、UIの一部を描き直されている。ゲーム画面のアスペクト比も4:3から16:9に変更。さらに本作においては、戦闘に関するさまざまなオプションが搭載。搭載機能は以下のとおり:

・エンカウントキャンセル:敵とのエンカウントを無効にする機能
・インスタントKO:敵を一撃でKOできる機能
・ゲームスピード:100%、200%、300%の3段階で調整可能
・バトルスピード: 100%、200%、300%の3段階で調整可能
・バトルリザルト簡易表示:バトル中ターン終了後のリザルト画面を簡易表示に切り替える。
・オートバトル:オートでバトルが進行する機能。

『バテン・カイトス』シリーズは、世界観や物語などが高く評価されている一方で、バトルにおけるテンポは当時課題として指摘されていた。第二作目になりそうしたテンポの問題は改善されているものの、バトル自体はそれなりに難易度が高いということで、ネックになりうるかもしれない。そうした問題を解消するために、多彩な機能が導入されている。エンカウント自体の無効化のほか、ゲームやバトルスピードの向上、オートバトルなど至れり尽くせりといった印象である。


そのほか、レイアウト変更やソート機能の追加、オートセーブ機能、NEW GAME+/NEW GAME-モードなどが搭載されており、快適さやガイド部分まわりはかなり配慮されていることがわかる。『バテン・カイトス』を遊ぶにあたっての決定版といえる内容になりそうだ。

なお余談であるが、『バテン・カイトス』シリーズでディレクターを務めた本根康之氏は、自身のTwitterアカウントにて“バテン・カイトス3”が登場する可能性があったことを、何度か語っている。PS3スペック相当の据え置き機をターゲットに、女の子の主人公として、海底、陸、空を舞台とした壮大な内容になる予定だったという。プリプロダクションまで進んでいたものの、バンダイナムコエンターテインメントの再編による予算の見直しや、モノリスソフトと共同で開発を担当していたトライクレッシェンドの経営悪化により消滅してしまったそうだ。


第三作目が出るかどうかはバンダイナムコエンターテインメントのみぞ知るところだろうが、いずれにせよリマスター版の反響次第だろう。ひとまずリマスター版を楽しむのがよさそうである。

『バテン・カイトス Ⅰ&Ⅱ HD Remaster』は、9月14日に発売予定。パッケージ版早期購入特典/ダウンロード版予約特典としては、デジタルアートブックが用意される。