『ドラゴンクエストX オンライン』のアプデで、プレイヤーの行く手を阻み続けてきた「手すり」が消える。あがる歓喜とちょっと寂しさ

 

スクウェア・エニックスは6月14日、『ドラゴンクエストX オンライン』(以下、『ドラクエX』)のバージョン6.5[前期]アップデートを配信した。今回のアップデートでは、クライマックスへと向かいつつあるメインストーリーの追加のほか、職業レベル上限の解放や職業の調整、新コンテンツの追加などがおこなわれている。その中のひとつである一見地味な変更点について、SNSではプレイヤーから喜びの声が上がっている。

『ドラゴンクエストX オンライン』は、『ドラゴンクエスト』シリーズ初のMMORPGだ。プレイヤーは、自身の分身となるキャラクターを作り、戦いと冒険の旅に出ることになる。『ドラゴンクエスト』シリーズお馴染みのコマンドバトルとリアルタイムバトルの両方を採用した新しいシステムとなっているほか、1人でゲームを楽しみたいプレイヤーに向けたサポート仲間システムを用意するなど、『ドラゴンクエスト』であることとMMORPGであることを両立させた作りとなっている。ほかにも生産システムやハウジングなど、今までの『ドラゴンクエスト』シリーズにはなかったシステムを採用している。

本日6月14日、『ドラクエX』のバージョン6の最終章となる、バージョン6.5[前期]のアップデートが配信された。本アップデートでは先述のとおり、さまざまな新コンテンツの追加や調整がおこなわれている。その中で、とある調整についてSNSで注目が集まっている。それは、バージョン6.5[前期]の大型アップデート情報に記されていた「港町レンドア南にある階段の手すりを一部撤去します。」という文言だ。

港町レンドア南の階段。アップデート前は赤丸部分に手すりがあった。


港町レンドアは『ドラクエX』に登場する町のひとつで、北と南のエリアに分かれている。港町レンドアへは鉄道のほか、シリーズお馴染みである「ルーラ」の呪文の代わりとなるルーラストーンを使用することで港町レンドアを訪れることができる。レンドア駅に到着して南側の出口から外へ出るか、ルーラストーンを使うことで、港町レンドア南へ到着する。すると、プレイヤーの目の前には、階段の手すりが待ち構えているのだ。

『ドラクエX』は、移動中のアクションとしてジャンプが実装されているものの、障害物を乗り越えることはできない。そのため、階段の手すりに行く手を阻まれ、少し引っかかったり、手すりに向かって足踏みをさせられたりするプレイヤーが続出していた。筆者も、たびたびほかのプレイヤーが手すりに引っかかっている光景を見かけることがあり、そして自身もよく引っかかっていた。港町レンドア南は、たまに用事があるから訪れるという場所であるため、忘れた頃に訪れて引っかかるという事案が起きやすい立地なのかもしれない。

バージョン6.5[前期]のアップデート情報が公開された6月7日以降、SNSでは「レンドアの手すり」について言及するプレイヤーが見受けられるようになった。やはり邪魔であると思っていたプレイヤーが多いようで、喜ぶ声が見られる。さらに、手すりの撤去工事や供養といったスクリーンショットを撮影して楽しむ、あるいは別れを惜しんでいるプレイヤーたちもいる。『ドラクエX』のサービスが開始から10年以上存在していた手すりが消えてしまうことに、少なからず寂しさを覚える人もいたようだ。

ちなみに、この港町レンドア南の手すりについては、2022年8月に『ドラクエX』のプレイヤーサイト「冒険者の広場」内にある提案広場へ、「邪魔じゃないですか?」という投稿が寄せられていた。この投稿に対し、本作でディレクターを務める安西崇氏が、自分もよく引っかかると述べた上で「ぜひともなんとかしたい」と返答している。この手すりは、ディレクターさえも行く手を阻まれる強敵だったようだ。そして、この投稿から約10か月後となった今日、港町レンドア南の手すりが撤去されるに至ったわけである。


『ドラクエX』の最新アップデートであるバージョン6.5[前期]は、本日6月14日より配信中。