空登りイライラアクション『Only Up!』瞬く間に流行中。大空を目指して登り、落ちて、とても悲しい

『Only Up!』がストリーマーの間で流行しているようだ。空を目指して進み続けるという一本槍のテーマながら、人気を博している模様。

Only Up!』がストリーマーの間で流行しているようだ。5月25日に発売された本作は、空を目指して進み続けるという一本槍のテーマながら、人気を博している模様。なお本作は5月31日のアップデートにて(機械翻訳風味ながら)日本語が追加されている。

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『Only Up!』は、PC(Steam)向けに発売中の3Dアクションゲームだ。開発を手がけるのは、SCKR Games。韓国系の開発スタジオのようだ。本作のプレイヤーは、小さな少女(少年)ジャッキーだ。スラム街ゲットーに暮らしている。世界は狂ってしまったようで、空に向かって建造物が伸びている。ジャッキーはこの鬱屈した環境から抜け出すために、空を目指すのであった。

本作は3Dアクションゲームであり、足場をつたって高所を目指して進んでいく。ただ、それだけである。難しいパズル要素はなく、NPCとの交流なども(現時点では)ほぼない。本当に、登っていくだけである。しかし、このアクションパートの緊張感がなかなか高い。というのも、本作では狭い足場をわたって空を目指していくのだ。ひとつひとつの足場が狭く、慎重な操作が必要。さらに、落ちてしまうと、“落ちたところから登り直し”。いくらかショートカットなどはあるものの、苦労して登った場所を、再度登り直さなければいけない。あんまりである。


こうしたコンセプトからわかるとおり、『Only Up!』は“壺男”こと『Getting Over It with Bennett Foddy』から影響を受けた作品。高難度である点や、失敗によっていちからやり直しが求められる点。さらに神経を逆撫でするポエミーなナレーションなど、イライラ要素満載である。

本作はそうした作品と比べると基本操作はクセがない。『Getting Over It with Bennett Foddy』は移動そのものの難易度が高いが、本作では3Dアクションに慣れていれば、おおむね思ったとおり動かせるだろう。一方で、本作が“3Dゲーム”であることを忘れてはいけない。イライラ系アクションは2Dが多いが、本作は3Dということで、横軸縦軸に加えて奥行きの概念も存在。その影響で、足場を渡るという行為の難易度も2Dゲームよりぐっと高い。


開発者もそうした点を理解しているがゆえに、操作面はシンプルにしたのだろう。また本作は右クリックを押すことで、ゲームをスローモーション化できる。時間がゆっくり流れることで、うっかりミスを減らすことが可能だ。この機能によって、時間をかけて慎重にプレイすれば突破できるギミックも多い。とはいえ、登れば登るほど難易度は高くなり喪失は大きくなるので、プレイヤーの腕が試されるのは間違いないだろう。

本作は実況シーンでも盛り上がりを見せている。6月3日頃から配信者がぐぐっと増加している(TwitchTracker) 。その人気は右肩上がりである。国内配信者の間でも、『Only Up!』の人気は上昇中。さまざまな有名配信者/VTuberが本作をプレイしている。一方、Steamの同時接続プレイヤー数を見ると(SteamDB)、ここ数日のピークは3000人弱と一定の人気はあるものの、ストリーマー間での人気を見るとやや物足りなく見えるかもしれない。

理由としては、『Only Up!』の人気はアジア圏(主に日本)がメインという点はありそうだ。欧米圏の超有名配信者までにはリーチしていない。また、本作のSteamのレビューステータスは「賛否両論」。ゲーム体験としては面白いものの、非早期アクセス配信ゲームとしては不具合の数は非常に多く、製品として発売されているゲームとは思えないほどぎこちない。PC向けへの最適化も不足している。オブジェクトのどこに判定があるかわかりづらく、そうした原因で落下するなど、ゲームプレイを阻害する要素も多い。そうして寄せられた評価がゲームの購入の妨げになっている可能性はありそうだ。


とはいえ本作は、“3D壺おじ”としてすでに一定の人気を集めている。アップデートでパフォーマンス問題が解消されれば、あるいは欧米圏で人気を獲得した際には、人気が大爆発する可能性はありそうだ。開発元はリリース後複数のアップデートを実施しており、不具合修正のほかマウスセンシティビティ なども追加されている。今後の対応に期待しておこう。

なお本作は、起動時のデフォルト状態だと重くなりがち。影の設定を切ることで、夕日表現は消える もののぐっと軽くなるので、購入して動作に苦しんでいる人は参考にしてほしい。

『Only Up!』は、PC(Steam)向けに1480円にて発売中だ。




※ The English version of this article is available here

Ayuo Kawase
Ayuo Kawase

国内外全般ニュースを担当。コミュニティが好きです。コミュニティが生み出す文化はもっと好きです。AUTOMATON編集長(Editor-in-chief)

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