『世界樹の迷宮』HDリマスターSteamで好調スタート。三部作でどれが人気かも、くっきりわかる

アトラス/セガは6月1日、『世界樹の迷宮I・II・III HD REMASTER』を発売した。Steamでは早速プレイヤーが集まり賑わっているようだ。それぞれの作品の人気もわかる。

アトラス/セガは6月1日、『世界樹の迷宮I・II・III HD REMASTER』を発売した。対応プラットフォームはPC(Steam)/Nintendo Switch。Steamでは早速プレイヤーが集まり賑わっているようだ。


『世界樹の迷宮Ⅰ・Ⅱ・Ⅲ HD REMASTER』は、アトラスの手がける3DダンジョンRPG『世界樹の迷宮』シリーズ初期3作のHDリマスター版である。冒険者であるプレイヤーは、最大5名のパーティーを編成し、迷宮へ挑む。キャラクターにはソードマン/レンジャー/パラディンなど、9種類のクラスが存在。クラスと外見を組み合わせて仲間を作成し、好みのパーティーを編成していくのだ。迷宮内は常に死と隣合わせ。慎重さを欠けば、全滅は必至である。そこで冒険者たちは自らを鍛え上げ、迷宮の地図を作り、少しずつ迷宮の探索を進む。

『世界樹の迷宮Ⅰ・Ⅱ・Ⅲ HD REMASTER』では、『世界樹の迷宮』『世界樹の迷宮Ⅱ 諸王の聖杯』『世界樹の迷宮Ⅲ 星海の来訪者』の3作がHDリマスター化されている。システムは、2画面で分かれていた探索画面と地図画面が、ひとつの画面で表示できるよう最適化。グラフィック面では、ダンジョンの3Dグラフィックが高精度になり、キャラクターやモンスターなどのイラストも精細化。バトルのエフェクトもブラッシュアップされており、オリジナル版より強化されたビジュアルで本作を遊ぶことができるわけだ。


本作は三部作セットのパッケージ版のほか、デジタル向けには単体版も発売されている。Steamではそれぞれの作品が単品でリリースされており、同時接続プレイヤー数的にも上々のスタートを切っている。三部作の合計同時接続プレイヤー数で見ると、昨日6月4日のピーク時に5026を記録。ニンテンドーDS時代のクラシックなダンジョンRPGのリバイバルとしては、なかなか良い出だしの印象だ。

そしてそれぞれの作品の同時接続プレイヤー数を見ると、興味深い数字が見えてくる。もっともプレイヤーが多いのは、初代『世界樹の迷宮』。ピークタイムの数字は3283(SteamDB)。続いて人気なのは、二作目……ではなく三作目『世界樹の迷宮Ⅲ 星海の来訪者』となっている。こちらはピーク時に1577を記録(SteamDB)。そして、最後に『世界樹の迷宮Ⅱ』についてはピーク時の数字は166(SteamDB)。


一作目については、まずは1から始めるという意味でも、順当な結果だろう。面白いのは第三作目の健闘。『世界樹の迷宮Ⅲ 星海の来訪者』は、そもそもオリジナル版の評価が高い。海というフィールドを導入し冒険の壮大さがましているほか、システム面も充実しておりバランス面も定評あり。『世界樹の迷宮』は第三作目からやるべきといった意見も散見されるほどである。オリジナル版人気もあり第二作目を出し抜いたのだろう。

第二作目はというと、逆にオリジナル版がやや苦しい評価を受けた。ゲームとしては初代をブラッシュアップさせているが、オリジナル版発売直後は不具合なども多く評価に苦しんだ(ベスト版で修正済み)。そのほか、バランス面など賛否両論な部分も多かった。

また第一作目と二作目は『新・世界樹の迷宮』としてリメイク版が発売されている。第三作目はリメイクされておらず、そうした事情も人気に関係しているかもしれない。あるいは、第一作目から第二作めにかけては一部引き継ぎ要素もあり。また第三作目にはクエストに付随するオンライン要素も存在する。さまざまな要因が、数字に反映されているのだろう。
【UPDATE 2023/6/5 16:00】
リメイク版の存在や引き継ぎ要素、オンライン要素など、人気を左右する要素が存在することを追記。


とはいえ、三部作どれも一定した評価を獲得しており、上々のスタートを切っているのは興味深い。実際にプレイした感触としては、たしかに2画面の操作の快適性には及ばないものの、1画面で遊べるようにうまく落とし込まれている。そもそもとしては、ニンテンドーDSからの“むちゃ移植”を完遂したという点で特筆すべきものがある。シリーズをがっつり遊びたい方は原点となる一作目から。軽く手を出したい方は、もっとも遊びやすい三作目から遊んでみるといいだろう。

『世界樹の迷宮I・II・III HD REMASTER』は、PC(Steam)/Nintendo Switch向けに発売中だ。

Ayuo Kawase
Ayuo Kawase

国内外全般ニュースを担当。コミュニティが好きです。コミュニティが生み出す文化はもっと好きです。AUTOMATON編集長(Editor-in-chief)

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