『サイバーパンク2077』『ウィッチャー』シリーズのCD PROJEKT社長、“ソニーによる買収の噂”を否定。「ただの噂」とバッサリ切り捨てる
『サイバーパンク2077』や『ウィッチャー』シリーズで知られるCD PROJEKT REDなどを傘下にもつCD PROJEKTは5月29日、2023年度第1四半期の業績を発表。その会見の質疑応答にて、ソニーによる同社の買収についての噂について問われ、否定する一幕があった。
質疑応答にて質問者は、ソニーがCD PROJEKTについてビジネス上の関心をもっているという噂が存在するとしたうえで、独立性を保つとしてきた従来の姿勢に変化があるのかどうかを問うた。すなわち、ソニーによるCD PROJEKTの買収の可能性について、遠回しに質問したわけだ。
この質問に対しCD PROJEKT社長兼CEOのAdam Kiciński氏は、独立性を保つという同社の姿勢に「変化はない(Nothing has changed in our end)」と回答。さらに、「長年言及し続けてきたことを改めて繰り返すが、CD PROJEKTは自社を売りに出してはいない(CD PROJEKT is not for sale)」と述べた。現時点で他社に買収されることはないという考えを示した格好だ。
またKiciński氏は、実行するのは容易ではないものの素晴らしいビジネス戦略をもっており、その道を歩み続けるとコメント。そして、CD PROJEKTの独立性を維持する方針を述べ、指摘された噂については「ただの噂に過ぎない(It’s a pure rumour)」と斬り捨てた。
今回の質問者が言及した噂とは、おそらくここ最近になって出回っていたもののことだと思われる。発端と見られるのは、SIE傘下Bungieの『Destiny 2』のリーク情報やゲームデータ解析情報を発信している著名SNSアカウント。その運用者が、「PlayStationがCD PROJEKT REDの買収を計画している」などの噂話をDiscordに投稿したとして、真偽不明ながら一部で注目されていた(Reddit)。
近年、SIEが上述したBungieを買収したり、マイクロソフトがBethesda Softworksなどを抱えるZeniMax Mediaを買収したりなど、大型買収が成立している。そうした流れがあるなかでは、CD PROJEKTが買収されるということも、あり得ない話ではないという受け止め方もできるかもしれない。ただ、CD PROJEKTとしては他社の傘下に入るつもりはないとの姿勢が今回示された。問題の噂はSIE側の計画について触れたものではあるが、少なくとも両社間で協議されているという事実はないということだろう。一般的に企業は噂話に対してはコメントしないことが多いなか、CD PROJEKTはあえて回答し、“売り物ではない”と明確にしたかたちである。
なお、CD PROJEKTの2023年度第1四半期の業績発表においては、『ウィッチャー3 ワイルドハント』の累計販売本数が5000万本を突破し、『ウィッチャー』シリーズ全体では7500万本を超えたことが明らかにされた。同期の売り上げについては、『サイバーパンク2077』が主に牽引したとのこと。
このほか、『サイバーパンク2077』の大型拡張パック「仮初めの自由」が、6月に開催される「Summer Game Fest」のメディア・インフルエンサー向けイベントにて披露されることも明らかに。リリースに向けた情報公開が開始されるものと期待される。