どうぶつポーカーゲーム『Sunshine Shuffle』Nintendo Switch版、北米での配信が認められず。「子どもに賭博を教える作品」との米任天堂の“誤解”が原因と開発者は主張

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インディー開発者のXalavier Nelson Jr.氏は5月24日、自身が手がけたポーカーアドベンチャーゲーム『Sunshine Shuffle』のNintendo Switch版について、北米地域での配信が認められなかったと報告。その理由について同氏は、任天堂が本作の収録コンテンツを誤解したようだと見解を述べている。

『Sunshine Shuffle』は、動物のキャラクターたちとポーカーを楽しむ、物語主導のアドベンチャーゲームだ。舞台となる船には、かわいい動物のキャラクターたちが乗船。彼らは、労働者階級の動物達が自称ロビンフッドとして活躍したモーニングシフトの残留メンバーであり、かつて東海岸最大の銀行で強盗をはたらいたという。

本作にてプレイヤーは、ポーカーのルールのひとつテキサスホールデムを動物たちと一緒にプレイする。そしてゲームに勝利して報酬を得ることで、新しい照明設備や椅子、カードデッキ、水槽などのデコレーションアイテムと交換し、船に飾り付けることができる。また、動物たちと会話を進めるなかでは、どうやって銀行強盗を成功させたのかや、悪名高い強盗団を結成したことで彼らの人生がどう変わったのかなどについて明らかになっていく。


本作は、PC(Steam/itch.io)およびNintendo Switch向けに5月24日に配信開始された。ただ開発者のXalavier Nelson Jr.氏によると、Nintendo Switch版に関しては北米での配信が任天堂から認められなかったという。確認してみると、欧州などでは本作は配信されているが、確かに米国やカナダでは配信されていない(日本でも未配信だが、こちらはもともと予定になかった模様)。

北米での本作の配信を認められなかった理由について同氏は、自らが展開していたSNSキャンペーンが背景にあるかもしれないと述べている。同氏は『Sunshine Shuffle』のローンチに向けて、TikTokにて動画を多数投稿。本作の特徴を紹介したり、ファンからの質問に答えたりしていた。いずれにおいても、質問内容を含めユーモアの応酬といったかたちの動画となっており、楽しげな様子が伝わってくる。

そのなかでは、「子供にギャンブルを教える」ことについて、遠回しに肯定したり、本作がそうした内容であると示唆するような動画も投稿。冗談めかした口調や、ハッシュタグに「darkhumour」と付けられているなど、あくまでジョークであることがうかがえる。ただ、こうした動画を見た任天堂が、本作は子供にギャンブルを教えることを目的にした作品だと誤解し、北米での配信を認めなかった可能性があるとNelson Jr.氏は主張しているのだ。

『Sunshine Shuffle』は、ポーカーがゲームプレイの中心となっておりギャンブル要素を含むが、子供にギャンブルを教えることを目的とした内容とは言いづらい。ほかに多数配信されているポーカーゲームと比べると、かわいい動物キャラクターが登場するなどよりポップなビジュアルではあるものの、特段子供向けといった雰囲気でもない。

任天堂はNelson Jr.氏に対し、本作は“子供にギャンブルを教える作品”であると指摘したのかどうかはっきりしないが、同社が“誤解したかもしれない”というのはあくまでNelson Jr.氏の推測であり、実際の理由は不明。なお、本作はすでに北米のレーティング団体ESRBによりT(10歳以上対象)に区分されており、任天堂の判断によって北米での配信を差し止められたということは間違いないようだ。今後判断が覆り北米での配信が実現するのか、また差し止められた理由が明らかになるのか注目される。

ちなみに、Nelson Jr.氏は本作のNintendo Switch版について、韓国でも配信が認められなかったと報告している。詳細は語られていないが、こちらは任天堂の判断というよりも、レーティングの問題が原因の可能性が高そうだ。というのも韓国のレーティング団体GRACでは、ギャンブル要素をメインコンテンツとしたゲームやカジノを模したゲームは、審査を拒否することもあるくらい厳しく制限している。本作は、レーティングを取得できなかったために、韓国で配信できなかったものと考えられる。

『Sunshine Shuffle』は、PC(Steam/itch.io)および欧州Nintendo Switch向けに配信中だ。

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