PlayStation StudiosのPixelOpusが6月に閉鎖へ、SIEが認める。『アッシュと魔法の筆』の開発元


PlayStation StudiosのひとつPixelOpusは5月6日、同スタジオの「冒険は終わりを迎える」としたメッセージをTwitterに投稿。その後親会社であるSIEが、今年6月2日をもってPixelOpusを閉鎖する方針であることを認めた。

PixelOpusは、アメリカ・カリフォルニア州に拠点を置き、SIE傘下PlayStation Studiosのひとつに名を連ねるデベロッパーだ。同スタジオは、Lucasfilmにて『Star Wars 1313』のクリエイティブデイレクターを務めていたDominic Robilliard氏をスタジオ代表に迎え、小規模チームとして2014年に設立。そしてフライトアクションゲーム『Entwined(エントワインド)』にてデビューし、続いてアクションアドベンチャーゲーム『アッシュと魔法の筆』を世に送り出した。そして同作を最後に、このたび閉鎖されることが明らかになった。

今回のTwitterへの投稿にて同スタジオは、PixelOpusの冒険は終わりを迎えるとし、これまでに作品をプレイしサポートしてくれたファンに感謝の言葉を述べた。このメッセージでは、スタジオ閉鎖を示唆しつつも明確には言及されなかったが、SIEが海外メディアIGNを通じて声明を発表。今年6月2日に同スタジオを閉鎖することを認めた。

SIEによると、PlayStation Studiosではそのポートフォリオと各スタジオの状況を定期的に評価し、同グループにおける短期的および長期的な戦略に合うものかどうかを確認しているとのこと。そして、最近実施された評価プロセスにおいて、PixelOpusを閉鎖する決断を下したとのことだ。

ちなみに、PixelOpusは『アッシュと魔法の筆』のリリースから2年後の2021年に、未発表のPS5向け新作を手がけていることを明らかにしていた。当時同スタジオでは複数の職種についてスタッフを募集しており、そのひとつプリンシパル・グラフィックプログラマーの募集要項では、PS5およびUnreal Engine 5を扱うことが記載。また、「スパイダーマン:アクロス・ザ・スパイダーバース」などを手がけているCGアニメ制作会社Sony Pictures Animationとのコラボ作品となることも言及されていた。(PlayStation LifeStyle)。

結果的に、その新作が発表される前にスタジオが閉鎖されることとなった。今年1月からPixelOpusにてシニアゲームデザイナーとして働いていたMark Vernon氏は今回の発表を受けて、素晴らしいチームおよびプロジェクトを失い悲しいと述べている。このコメントは、その新作の開発中止を意味するのか、あるいは別のスタジオが開発を引き継ぐこととなったのかは、現時点では不明である。

*PlayStation Studiosの前身SIEワールドワイド・スタジオのCEOを務めたShawn Layden氏もコメント。『アッシュと魔法の筆』開発時の思い出を振り返り、PixelOpusの閉鎖を惜しんだ。

なお、PixelOpusが手がけた『Entwined(エントワインド)』および『アッシュと魔法の筆』は現在も販売中。またいずれの作品も、PS Plusのエクストラ・プレミアム加入者向けサービスであるゲームカタログに提供されている。