ゲームスタジオKeyplay studioは4月11日、『POSTFROST』を正式発表した。対応プラットフォームはPC(Steam)/コンソール。昨今トレンドとなりつつあるオープンワールドサバイバルMMOに、“極寒”を混ぜた作品。意欲こそ感じられるが、現時点で公開されている情報を踏まえて考えると、完成するかは未知数である。
『POSTFROST』は、オープンワールドMMOサバイバルRPGになるという。舞台となるのは、“突如春がこなくなった地球”。雪が降り地面のあちこちが凍り、永遠の冬の時代が到来した。生き残った人類は、そんな状況下でもなんとか生き長らえようとしている。人々が集まりエリアは開拓され都市国家が形成され、文化と経済が築き上げられていた。プレイヤーはそんな世界にて生き残ることを目指す。
本作ではプレイヤーは自分のキャラを作成し、凍えるような環境に適応しつつ生き残る。危険は寒さだけでない。異常気象も発生し、気候によって命が危うくなることも。ときに変異化した生物と相対することになるだろう。そんな世界で、探索してアイテムを入手。スキルを成長させながら、厳しい環境で生き残れるように足掻くのだ。ときにほかの生存者と手を組んだり、あるいは欺いたり。シェルターを作って一時の休息をするのもいいだろう。
ゲームは三人称視点で展開される。フィールドはオープンワールドになっているという。公開された映像では、犬とともに雪に覆われた都市を探索する様子が確認できる。銃を使って戦うシーンも見られ、シューター要素も強そうだ。またキャンプしているほかの生存者を殺めるシーンなどもちらり。またマルチプレイ要素も導入予定とのこと。友人とプレイすることができ、一緒にミッションをこなしたり、盗賊を襲ったり、あるいは犬と遊んだりできるそうだ。
かなり野心的に作られている印象であるが、疑問なのは実際に完成するのかどうか、である。まず前提として、開発チームは『POSTFROST』の開発は初期の段階であると認めている。現在はゲームメカニクスとビジュアルエフェクトに注力している段階だという。開発チームは「トレイラーも公開されており、そしてその映像がすべてではない」とは語っているものの、製品化できるかどうかは現時点で未知数だ。
というのも、オープンワールドサバイバルMMOは現在ホットなジャンルながら、リリースにこぎつけられている作品は多くない。もっとも期待されている『The Day Before』は延期を繰り返しており(関連記事)、リリースできるかどうか不安がられている。同様のコンセプトをもつ作品はいずれもリリースの目処は立っていない。基本プレイ無料でのオープンワールドサバイバルMMO作品はリリース間近のものが増えてきたものの、それらのプロダクトは背後に巨大資本があるケースがほとんどである。人気がある一方で非常にコストがかかるジャンルであるがゆえに、作るのも難しいのである。
『POSTFROST』開発元であるKeyplay studioは、かなり謎に包まれている。並行して、大自然の地を舞台としたオープンワールドドライブゲーム『Across the Wilds』を開発している。Steamウィッシュリスト数は500を超えており、期待されているようだ。『Across the Wilds』については開発映像がいくつも出ており、ゲームとしての骨組みはできているようだが、こちらもまだリリース目処は立っていない。実績とはならないだろう。Keyplay studioはそもそも公式サイトなどが(筆者の観測範囲では)見当たらない。
Facebookページでは本拠地なども明かしておらず、公式Twitterアカウントは「このアカウントは不審な行為が確認されています」として制限がかけられている。Discordサーバーの規約はロシア語で記されており、ロシア系のスタジオなのかもしれない。いずれにせよ、素性は不明で「オープンワールドサバイバルMMO」規模のゲームを作れるかどうかは未知数である。
とはいえ、面白いゲームとして仕上がる可能性もおおいにある。ひとまずSteamのウィッシュリストに登録し、のんびり続報を待つのもいいだろう。Keyplay studioによると、本作は2024年にリリース予定で、プラットフォームはPCとコンソール両方で出す予定だという。また英語以外にもより多くの言語に対応したいとのことである。
『POSTFROST』は、PC(Steam)/コンソール向けに2024年発売予定だ。