ヤドカリ・ソウルライクゲーム開発者『ゼルダの伝説』新作をパクってないと主張。武器合成は前からあったのでパクり認定しないでお願い

ゲームスタジオAggro Crab Gamesが投じた“とある投稿”が話題を呼んでいるようだ。聞かれてもいないのに『ゼルダの伝説 ティアーズ オブ ザ キングダム』をパクってないと言ってる模様。

ゲームスタジオAggro Crab Gamesが投じた“とある投稿”が話題を呼んでいるようだ。『ゼルダの伝説 ティアーズ オブ ザ キングダム』の新要素について、「うちはパクっていない」と、聞かれてもいないのに弁解しているようだ。

Aggro Crab Gamesは、現在『Another Crab’s Treasure』を開発中だ。同作は『デモンズソウル』や『ダークソウル』の影響を受ける、いわゆるソウルライクゲームになるという。主人公であるヤドカリのクリルが、汚染された海底王国を冒険するという内容。デフォルメされたカニにヤドカリが立ち向かうというコミカルな絵面ながら、難易度の高いバトルを特徴とするゲームなるそうだ。


ヤドカリのソウルライクゲームとして注目されていた同作であるが、開発元のAggro Crab Gamesは、あるゲームの新情報が気になったようだ。『ゼルダの伝説 ティアーズ オブ ザ キングダム』の新要素「スクラビルド」である。同作では、武器や防具あるいはそのあたりに落ちている物体などを組み合わせることで、アイテムを作り出すというシステムだ。先日公開された映像では、枝と岩を組み合わせたり、槍と槍を組み合わせたり、自由な発想が可能であると紹介されていた。

これに反応したのが、Aggro Crab Gamesである。同スタジオは過去にTikTokに投稿した『Another Crab’s Treasure』のショート動画を引っ張り出しつつ「僕らは数か月前の時点で融合システムは実装してたよ!」「ゼルダからパクったとかいわないで、頼むよ」とおどけた。映像を見てみると、ザリガニがフォークを鉄塊に突き刺し、ハンマーのように使っているゲームプレイが確認できる。ふざけているのか、大真面目なのかはわからないが、『ゼルダの伝説 ティアーズ オブ ザ キングダム』のパクりだと思ってほしくはないようである。

※ ちなみに、Aggro Crab Gamesその後「『ゼルダの伝説 ティアーズ オブ ザ キングダム』は発売日(release date)決まったけど(そっちは?)」という煽りを受け、「お前の母ちゃんとのデートを公開(release a date)してやろうか」と返し、謎の喝采を浴びている。

ちなみに筆者観測範囲では、『Another Crab’s Treasure』はパクり嫌疑にかけられたわけではない。ではなぜAggro Crab Gamesがこのような主張をするのか。それは『ゼルダの伝説』の影響力の強さがありそうだ。というのも前作『ゼルダの伝説 ブレス オブ ザ ワイルド』がリリースされた際には、後続のオープンワールドゲームは『ゼルダの伝説 ブレス オブ ザ ワイルド』から影響を受けたゲームと並べられることが多かった。たとえばゲームメディアGamingBoltは『ゼルダの伝説 ブレス オブ ザ ワイルド』から影響を受けたゲームとして『ゴースト・オブ・ツシマ』や『エルデンリング』の名前をあげている。実際のところ影響を受けている可能性はあるものの、影響力の強いゲームを引き合いに、ユーザーやメディアが根拠もなく雑に「パクり」だというケースは往々にしてある。


『ゼルダの伝説 ティアーズ オブ ザ キングダム』においても、武器合体や物体接着など意欲的なシステムが導入されており、似たシステムを搭載するゲームが「影響を受けた、あるいはパクった」といわれる可能性はあるだろう。それゆえにAggro Crab Gamesは前もって先手をうったのかもしれない。なお、これらの『ゼルダの伝説 ティアーズ オブ ザ キングダム』の新システムについては、一部ユーザーから『バンジョーとカズーイの大冒険 ガレージ大作戦』から影響を受けているのでは、と面白がられている。あらゆるゲームが、「パクりパクられ議論」に巻き込まれ得るということだろう。

オブジェクト同士を組み合わせるアイデアは、クラフトゲームでは割とあるシステムなので、そうした議論は今後も起こりそうである。アイデアがユニークというだけでなく、そのアイデアによってゲームがどう面白くなるかを見たいところである。

『Another Crab’s Treasure』は、PC(Steam)/Nintendo Switch向けに2023年配信予定だ。

Ayuo Kawase
Ayuo Kawase

国内外全般ニュースを担当。コミュニティが好きです。コミュニティが生み出す文化はもっと好きです。AUTOMATON編集長(Editor-in-chief)

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