怪奇アドベンチャー『パラノマサイト』Steam高評価スタート。ネタバレ厳禁の異色作、驚異の97%好評

Steamにて『パラノマサイト FILE23 本所七不思議』が好調なスタートを切ったようだ。スクウェア・エニックスのホラー/ミステリーアドベンチャーが、発売早々に高い評価を獲得している。

Steamにて『パラノマサイト FILE23 本所七不思議』(以下、パラノマサイト)が好調なスタートを切ったようだ。スクウェア・エニックスが放った新たなアドベンチャーゲームが、発売早々に高い評価を獲得している。


『パラノマサイト』は、ホラー/ミステリーアドベンチャーだ。対応プラットフォームはPC(Steam)/Nintendo Switch/iOS/Android。舞台となるのは、東京都・墨田区。昭和後期の墨田区を舞台に、怪談・本所七不思議をベースとした、呪いをめぐる物語が展開される。開発は、スクウェア・エニックスとジーンが担当。スタッフとしては、『スクールガールストライカーズ』『探偵・癸生川凌介事件譚』などのシリーズを手がけた石山貴也氏が、シナリオとディレクションを担当している。定価は1980円。現在各プラットフォームでリリースセールが実施されており、20%オフでゲームを入手可能だ。

『パラノマサイト』は、2月のNintendo Directにて発表され、3月9日に発売された。世界設定や開発スタッフについては明かされているものの、謎の多い作品であった。発売後も具体的なゲームシステムは明かされていない。しかしながら、「面白い」というぼんやりとしたクチコミが多数投稿され、Steamでも高い評価を獲得している。Steamでは3月13日13時現在119件のレビューが寄せられ、そのうちの97%が好評とする「非常に好評」ステータスを獲得している。どのレビューも内容を伏せつつ、それぞれの言葉で本作を称賛している。また同時接続プレイヤー数についても、3月12日には、ピークとして348を記録。数としては大きくないものの、短編ゲームの新規作としてはなかなか盛り上がっているように見える(SteamDB)。


面白いのは、英語圏でも本作の評価が高いこと。Steamは英語圏ユーザーが圧倒的に多いので、ユーザー比としては自然ではある。しかしながら、東京都・墨田区を舞台としたローカル設定なゲームであるにもかかわらず、レビュー全体の60%ほどが英語レビューであり、98%が好評となっている。あるいはローカル設定だからこそ、日本に興味をもつ英語圏ユーザーを誘引した可能性もあるかもしれない。いずれにせよ、英語圏のユーザーも同様に本作を高く評価しているのは興味深い。レビュー集積型サイトMetacriticのメタスコアもNintendo Switch版は100点満点中86点を記録しており、メディア評価も高いようだ。なお本作は英語への翻訳に苦労したと、開発者インタビューにて明かされていた(電撃オンライン)。

本作にはさまざまなギミックが詰まっており、そのギミックを明かすと驚きのあるプレイ体験を損ねてしまう。そのためか、スクウェア・エニックスも意図的に情報を伏せている節があり、ユーザーたちもゲーム内容について深く言及していない。とにかく買え、と勧めるユーザーも散見される。結果的には、そうした“自主情報制限”が購買意欲を促している側面もありそうだ。本稿を書いている筆者的にも、とても面白いゲームであったと感じる(参考:弊誌レビュー)。


なお、ネタバレになるので詳細は控えるものの、ゲーム内で“本作に続く作品を作りたいであろう示唆”が見られる。前出の電撃オンラインのインタビューでも、ディレクターの石山貴也氏は「コンセプト的にも、そういったこと(コンテンツの追加)をするよりもシリーズとするための次の展開を考えたいと思っていますが、発売前でどうなるのかはわからないので神のみぞ知るというところでしょうか」「もし、『パラノマサイト FILE23 本所七不思議』を遊んでおもしろかったら、ぜひ、感想を発信してください。(中略)SNSじゃなくて、友だちとの雑談の中でも言っていただければ、その一言が次につながると思うので、よろしくお願いします」と続編制作に意欲を見せていた。評価だけでなく、セールスで数字が出ることが重要だ。この評価の高さは売上につながり、『パラノマサイト』の次回作が作られるのか、注目したいところである。

『パラノマサイト FILE23 本所七不思議』は、PC(Steam)/Nintendo Switch/iOS/Android向けに発売中だ。

Ayuo Kawase
Ayuo Kawase

国内外全般ニュースを担当。コミュニティが好きです。コミュニティが生み出す文化はもっと好きです。AUTOMATON編集長(Editor-in-chief)

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