Steam Deckの次世代機が登場するのは、まだ数年先。Valveの開発者が明かす
ValveのデザイナーLawrence Yang氏とエンジニアPierre-Loup Griffais氏は3月7日、欧米での出荷開始から1年が経ったSteam Deckについて、海外メディアRock Paper Shotgunのインタビューに答えた。このなかで、Steam Deckの次世代機について言及している。
Steam Deckは、Valveが開発した携帯型PCゲーム機だ。7インチディスプレイを中央に配置し、フルサイズのアナログスティックや各種ボタン、そしてトラックパッドなどを搭載。SteamOSがプリインストールされ、Windows向けゲームはProtonと呼ばれる互換レイヤーによって動作するかたちとなり、ユーザーはSteamにて保有する対応ゲームをプレイできる。Steam Deckは欧米では昨年2月から出荷開始され、日本でも昨年12月から出荷開始されている。
Steam Deckには、Zen 2世代CPUおよびRDNA 2世代GPUからなるAMD製カスタムAPUが搭載されている。ただ他社のゲーム向けUMPCでは、より高性能なAMD製Ryzen 7 6800Uの搭載がすでに主流になっている。となると気になるのは、Steam Deckにもスペックを刷新した後継機が登場するのかどうかだろう。
この点についてValveのLawrence Yang氏はインタビューにて、まずSteam Deckの1年目は成功であったとし、この製品をどのように向上させていけるか、より深く検討していくことに繋がったコメント。そのうえで、大きく馬力アップした真のSteam Deck次世代機が登場するのは、まだ数年先(for a few years)になるだろうとした。
Valveは、Steam Deckの世代交代を急がない姿勢でいることを示した格好である。同じインタビューのなかではPierre-Loup Griffais氏も、Steam Deckは現行の世代を通して、ゲーム開発者にとって堅実なターゲットになる可能性があるとコメント。人気作の多くがSteam Deckにて良好なパフォーマンスで動作し、ユーザーからもポジティブな反響を得ているとも述べており、現行のスペックでもまだしばらく戦えるという考えのようだ。
またGriffais氏は、Steam Deckへの最適化は、UXの調整以外にも技術的にトリッキーな面はあるが、ゲーム開発者にとってメリットがあると述べる。Steam Deckで快適なゲームプレイ体験を実現できたなら、多様に存在するPC環境においてもスムーズな動作を期待でき、すなわちプレイヤー全体の体験を向上させられるとした。
ちなみにYang氏とGriffais氏は以前海外メディアThe Vergeとのインタビューのなかで、Steam Deckでは性能向上を伴わない後継機を先に投入する可能性について言及していた。短期間でスペックを変えることによるゲーム開発者の混乱を避ける狙いがあるそうで、その後継機ではバッテリーやディスプレイの改善について優先的に取り組む考えがあるという。Steam Deckの新モデルが登場するとすれば、まずはそうしたマイナーチェンジがおこなわれることになりそうだ。
Steam Deckは、国内正規販売代理店KOMODOにて販売中。本稿執筆時点では、64GB/256GB/512GBのいずれのモデルも在庫ありとなっており、即時購入可能である。