元アークシステムワークスの森利道氏らが「スタジオフレア」を設立。NetEase Gamesから出資を受け、森氏を中心としてゲームを開発


株式会社スタジオフレア(STUDIO FLARE, Inc.)は2月28日、同社の設立を発表した。所在地は東京都品川区西五反田で、五反田駅周辺のオフィスビルに、今年5月に開発室を整備する予定とのこと。

スタジオフレアは、元マーベラス副社長の青木利則氏と、元アークシステムワークスのプロデューサー森利道氏が立ち上げた新規ゲームスタジオだ。青木氏が代表取締役社長を、森氏が取締役副社長を務め、森氏はプロデューサーも兼任する。また同社設立にあたっては、中国の大手企業NetEaseのゲーム事業部門NetEase Gamesより出資を受けており、両社協力のうえで今後の開発をおこなっていくとのこと。

画像左:青木利則氏 画像右:森利道氏


今回の発表にて注目されるのは、森利道氏が設立に参加しているという事実だろう。森氏というと、ピックパック・エアリアルにて『GUILTY GEAR X』の開発に携わったのちにアークシステムワークスに入社。同社では『BLAZBLUE』シリーズを中心に多数の格闘ゲームを世に送り出した。同氏は2022年9月にアークシステムワークスを退社したことを報告(関連記事)。その後の動向が注目されていたなか、このたびの新会社設立の発表となった。スタジオフレアでは、森氏を中心とした開発体制が敷かれるそうだ。今回の発表における両氏のコメントは以下のとおり。

あらゆるエンターテイメントはゲームという叡智に寄港する

ゲーム業界は、情報通信産業の発達に合わせ、比類なき速度で進歩を遂げてきました。時代の流れとともに開発環境も進化し続け、今や世界中から毎日のようにタイトルがリリースされています。また、あらゆるエンターテイメントにおいて双方向性が重視され始め、ゲーム産業はその先端を行く旗手となる可能性を秘めています。体験から生まれる感動。ゲーム産業がユーザーと共に培ってきたものは、あらゆるエンターテイメント、ビジネスシーンにおいて重要視されることになるでしょう。スタジオフレアは時代の変化を体感し辿り着いた極地を、ユーザーの皆様、次の世代と共有できる存在でありたいと願っています。

新たな船出に向けて

開発は森を中心として、これまでの経験を活かし次世代のエンターテイメントを模索していくべく独立したスタジオです。アジアから世界へを意識した、個性際立つゲームを創造する環境の準備をしています。コンテンツのポテンシャルを最大化することに挑戦し、さらなる高みを目指すことをモットーに次世代へ引き継ぐコンテンツを創造します。企業における開発は、短期間では不可能です。未だ準備途上ですが、ゼロから新しいものを生み出すことには楽しみもあります。

スタジオフレアでは、中核となっていくメンバー、新しいチャレンジに意欲的なクリエイター仲間を募集しています。過去の自分達がそうであったように、ゲーム開発を楽しみたい。そして若い世代へゲームの魅力と感動を贈りたい、そんな会社を目指します。


ちなみに、スタジオフレアに出資したNetEase Gamesというと、近年は世界各国の著名スタジオと提携するなかで、日本でも存在感を高めている。2020年に自社の桜花スタジオを設立したほか、2021年には須田剛一氏率いるグラスホッパー・マニファクチュアが傘下入り。2022年には、セガを離れた名越稔洋氏が設立した名越スタジオに100%出資し、また元カプコンの小林裕幸氏が代表取締役社長を務めるGPTRACK50を設立させた。なおスタジオフレアはNetEase Games協力しながら、独立したスタジオとして運営されるとのこと。

スタジオフレアはどのようなゲームを手がけるのか、現時点では具体的な内容は明らかにされていないが、青木利則氏は公式サイトにて「ちょっと尖っていて、最高に面白いジャパニーズカルチャー的なキャラクターと世界観」というキーワードを挙げている。また現在同社では、2Dアーティストや2Dバックグラウンドアーティスト、3Dアーティストなどのスタッフが募集中だ。