『ポケモンGO』、“カクレオンがなぜかいる不具合”が正式な機能として実装される
『ポケモンGO』を運営するNianticは、同作にてカクレオンに関する不具合修正を実施。そのなかでこれまでバグと認識されている現象を、正式な機能として追加した。その対応に称賛が集まっているようだ。
カクレオンは『ポケモンGO』では今年1月に実装された。ハリマロンコミュニティデイ終了後に、サプライズ実装されたかたち。カクレオンといえば、いろへんげポケモンで、とくせいとしてへんしょくをもつ。そうした特徴は『ポケモンGO』でも健在で、ポケストップに紛れ込む。そして紛れ込まれたポケストップは回せなくなる。カクレオンを何度かタップすると、ポケストップからいなくなり、その後マップ上で姿を現すというわけだ。なかなか特殊な挙動をするポケモンである。
しかしその挙動の特殊さからか、実装時よりさまざまな不具合が報告されてきた。その中のひとつに、「トレーナーがポケストップにアクセスできる範囲外にいてもカクレオンが表示される」というものがあった。ポケストップは通常、近くにいなければ回すことができない。それゆえに、ポケストップに隠れているカクレオンも、プレイヤーがそのポケストップの近くにいなければ登場しないのが普通。しかしながら、ポケストップを回せない場所にいる場合でも、なぜかカクレオンが登場する現象が発生していたのだ。
シンプルに考えれば、上述の現象は不具合ながらどこにカクレオンがいるか把握できるという点で便利。『ポケモンGO』でのカクレオンの出現位置は、全プレイヤー共通だ。他プレイヤーに情報提供するために索敵をするという意味でも、ポケストップの範囲外からカクレオンを見られることは有益だった。ようするに、プレイヤー側に有利なバグなわけだ。しかしながら、Nianticはこの現象を修正せず「機能」としたようだ。正式実装として、範囲外のポケストップに、カクレオンがいるかどうか確認できるようになった。
この対応が、Redditの『ポケモンGO』プレイヤーが集まるr/TheSilphRoadにて注目を集めている。「バグが機能になる最高の例」「消されなくて嬉しい」「直し方わからなかっただけじゃね?」など多様な意見はあるものの、かなり好意的に受け取られているようだ。 その不具合の性質もまた、修正されなかった理由になりそうだ。というのも、この不具合を仕様とするにしても、カクレオンは結局のところ見えるだけで、その場所に行かなければ接触できない。『ポケモンGO』では「その場所へ行く」行動は常に奨励されているだけに、ポリシーを損なわない不具合だったという点も、仕様にされた理由かもしれない。
『ポケモンGO』は、ほかにあまり例のない運営型の位置情報ゲームということもあってか、不具合は多い。そうした中では、プレイヤー側にメリットをもたらす不具合もある。バグは修正されるのが普通であるが、修正するとプレイヤーが不便になる不具合の取り扱いはややセンシティブ。時には今回のように仕様にするなど、柔軟な対応をとることも長期運営型ゲームにとって大事なのかもしれない。
『ポケモンGO』は、iOS/Android向けに配信中だ。