『Crab Game』がSteamで脚光を浴びているようだ。2月6日17時時点での同時接続プレイヤー数は3万7836人。なぜかものすごく盛り上がっているのである。
『Crab Game』は多人数参加型の対戦アクションゲームだ。基本プレイは無料。プレイヤーはサーバーを建てたり入ったりして、他プレイヤーとたわむれる。本作はきっかけとしては人気を博したNetflixドラマ「イカゲーム」(Squid Game)のパロディとして生まれたようだが、現在はそのコンセプトは体をなしていない。なにせゲームルールが17ほどあるのだ。
ルールは、だるまさんがころんだのほか、踏み台遊びや雪合戦、陣取りゲームなどとにかく多彩。それぞれのルールに沿って試合が展開される。サーバー建てに際してはパブリック・プライベートの選択やルールやステージの選択、あるいは参加人数も指定可能。ログインすることでアイテム入りクレートが届いたり、あるいは試合後ランダムで特定のアイテムがプレゼントされるなど、ちょっとしたソーシャル要素も存在している。いろいろと「イカゲーム」のパロディ要素もあるが、開発者によると、本作のリリースに際してNetflixには訴えられていないとのこと。
『Crab Game』は2021年10月にリリースされた作品だ。発売から2か月ほどはアップデートされ、コスメアイテムやゲームモードが多数追加された。しかしそれ以降更新はさっぱりない。開発者も本作について、注目が集まりすぎたせいでアップデートするたびに文句ばかり出たということでストレスがたまったとしており、今後アップデートすることはないだろうと明言していた。ゲームを始めると、ロビーには、きらびやかに装飾されたクリスマスツリーが寂しく置かれている。『Crab Game』は、ある意味では廃墟と化しているのだ。
そんな廃墟に、人々が集まっている。普段から2000人程度のプレイヤーがいたものの、2月4日に大きく数字が伸び、同時接続プレイヤー数は3万4386人に到達。2月5日には3万9117人を記録。現在進行系でプレイヤーがガシガシ増えているのである(SteamDB)。しかしその理由はよくわからない。Twitchで実況が増えているわけでもなく(TwitchTracker)、TikTokで人気なわけではない。しかしながら、続々とプレイヤーが増えているようだ。
そうした影響か、パブリックサーバーはかなり治安が悪い。サーバーリストには怪しいワードがずらっと並び、チャットもNGワードが連発。ボイスチャットが許可されたサーバーでは、奇声が飛び交っている。モデレーターなどはもちろんいない。パブリックサーバーで遊ぶには、それなりなカオスを覚悟すべきだろう。なお筆者はボイスチャットをオフにしてパブリックサーバーを建てたところ「ボイスチャットを有効化しろカス」と怒られてしまった。嫌な気持ちになった。
一方で、往年のブラウザゲームなどの雰囲気を思い出し、味わい深い体験ができるともいえる。ゲームの種類は数多いので、プライベートサーバーにて身内でプレイするならば、『Fall Guys』を遊ぶような感覚で楽しめるかもしれない。
※ 開発者であるDani氏は、本作をリリースした経験をネタに動画を作成。再生回数としては1160万回を稼いでいる。内容も面白い。
そんな不思議な体験をしたい方は、『Crab Game』を遊んでみるといいだろう。同作はSteamにて無料配信中だ。