2Dアニメーション作成ツール「OPTPiX SpriteStudio」が音声・テキスト演出作成に対応。デザイナーが演出時のプログラム制御をカバーしやすく

 

CRI・ミドルウェアは2月1日、汎用2Dアニメーション作成ツール「OPTPiX SpriteStudio」Ver7.1の提供を開始した。今回のアップデートでは従来のアニメーション制作機能に加え、新たにサウンド・テキスト演出機能を追加。コンテンツ制作フローの効率化に貢献するという。


OPTPiX SpriteStudio(以下、SpriteStudio)は、主にゲーム開発向けの2Dアニメーション制作ツールだ。キャラクターアニメーションやパーティクルエフェクト、UIなど、各種2Dアニメーション素材の制作に必要な機能を提供する。制作した素材は各種データ形式で出力するほか、UnityやUnreal Engine、Cocos2d-xといったゲームエンジンで再生することも可能だ。こうした汎用性から、同ツールは『真・女神転生V』や『Abyss Memory -飛べない天使と魔法の線-』など、幅広い作品での採用実績をもつ。一定の条件を満たす個人開発者は、無料で利用できることもウリのひとつだ。

今回のバージョン7.1へのアップデートでは、50以上の機能追加・改善を実施したとのこと。中でも注目すべきは、アニメーションのサウンド・テキストの演出設定に対応したことだ。サウンド面では、mp3/ogg/wavなど各種音声データのインポートが可能になった。音を再生するフレームを指定し、プラットフォームのAPIを通じて再生するかたちだ。またテキスト面では、エディタ上で入力したテキストを表示する機能を追加した。フォントの種類としては、TrueTypeフォントやビットマップフォントの描画に対応しているという。


今回のサウンド・テキスト演出機能の追加には、デザイナー・プログラマーの分業を推進し、制作フローを効率化するねらいがあるとのこと。SpriteStudio を利用した従来の制作フローでは、デザイナーとプログラマーが共同で作業を担当していたという。デザイナーがアニメーションを作成し、プログラマーはデザイナーの指示を受けて演出を実装するかたちだ。この場合、両者の間で演出指示やチェック依頼といったやり取りが発生する。作業担当者やツールが複数にまたがることもあり、細かな調整を繰り返すアニメーション制作において効率的ではなかったようだ。


今回のアップデートで、アニメーションのサウンド演出・テキスト演出の作成をデザイナー自身が担当できるようになる。プログラマーとの調整やプレビューなどのサイクルを効率化し、コミュニケーションエラーが作品に影響することも避けられるという。最終的には、デザイナーのこだわりが詰まったアニメーション制作につなげる意図があるようだ。

そのほかのアップデート内容としては、UI素材制作向けに9スライスに対応、イージングのバリエーション追加など、機能追加・改善・バグ修正など多岐にわたる。アップデートの詳細は公式ブログを確認されたい。