『スマブラSP』人気プレイヤーの“敗北後のコントローラー投げ”が物議醸す。ジャイアントキリングを食らい、怒りの下投げ

 

大乱闘スマッシュブラザーズ SPECIAL』(以下、スマブラSP)のプロシーンで活躍する人気プレイヤーが、敗戦後にコントローラーを投げたとして物議を醸している。そのプレイヤーとは、Riddles選手。同選手がコントローラーを投げるシーンがSNSなどで拡散され、スポーツマンシップが問われているのだ。Kotakuが伝えている。


先日1月21日より、アメリカにて大規模非公式大会「Genesis 9」が開催された。同大会『スマブラSP』シングルス部門においては、“王者”MKLeo選手が相変わらずの強さで優勝をはたしたほか、日本人としては新星あcola選手が7位タイに入賞。9位タイにはてぃー選手、13位タイにはなお選手が入るなど、白熱の戦いが繰り広げられた。

同大会ではさまざまなサプライズが発生。そのうちのひとつがRiddles選手の敗退であった。Riddles選手はカナダ出身のプレイヤー。メインとしてカズヤおよびテリーを使っている。人気eスポーツチーム・Team Liquidに所属しており、大会でも上位入賞常連の実力派プレイヤーだ。今大会でも優勝候補の一角であった。しかしRiddles選手は思うように勝ち点を伸ばせなかった。パルテナ使いのChase選手に負けたのち、ルーザーズラウンドにてLeon選手と戦い、敗退することとなった。

https://www.youtube.com/watch?v=lC_E3P2qRVg


Leon選手は、戦績でいうとRiddles選手よりも明らかに格下。Leon選手は普段はルキナをメインに使っているが今回はクロムを使用(クッパ使いのLeoN選手とは別人)。そうした下馬評の差にもかかわらず、Leon選手はRiddles選手を圧倒し、ルーザーズラウンドを勝ち抜いたのだ。Riddles選手はまさかのジャイアントキリングに怒ったのか、コントローラーを地面に向けて強く投げつけた。この様子を収めた映像が拡散され、暴力的であるとしてRiddles選手が批判を浴びているのだ。

上の映像では、試合直後に相手を威嚇するように投げたように見えるが、長尺の映像を見るともう少し違う印象を受ける。試合直後は、まさかの敗北に頭を抱えるRiddles選手。呆然自失ながら、自らLeon選手に向けて手を差し出し、グータッチをかわす。しかし敗戦のショックからか、椅子から立ち上がれない。しばらく椅子に座った後、コントローラーケーブルを抜き、そのままコントローラーを下に投げつけた。Riddles選手はLeon選手にはあくまで普通に対応している。こうした流れを見ると、負けた相手への腹いせではなく、自分への苛立ちとしてコントローラーを投げた印象だ。


なぜRiddles選手はこれほど苛立っていたのだろうか。真実は定かではないものの、同選手がナーバスになっていたとのコメントが複数あがっている。あcola選手もまた、Riddles選手が『スマブラ』の練習に毎日取り組んでいたとし、その疲労について言及。周囲からRiddles選手にかかるプレッシャーの重さについて触れつつ、同選手の状態を案じていた。また、Riddles選手の現在のメインキャラはカズヤ。カズヤは破壊力強めのコンボキャラということもあり、キャラへのヘイトが選手にいくこともままある。さらに、Riddles選手は今大会での試合前インタビューで態度が悪かったことも批判を受けていた。


キャスターのJett Lewis氏に招かれたインタビューにて結果予想を聞かれた際に、長い時間無言を貫きキャスターを困惑させた後、「質問がしょうもない」と返答し席を立っていた。のちにRiddles選手はJett氏に謝罪したとのこと。こうした言動をとった理由としては、大会を勝ち抜く自信を失っていたとの旨の説明をしたという。そうした前後の出来事を見てみると、Riddles選手が今回やや不安定な状態にあり、コントローラーを投げた背景がなんとなく理解できるかもしれない。


対戦相手のLeon選手もKotakuの取材に対し、大会の結果は彼にとって残念だろうとしつつ、コントローラーを投げて怒りを表現するのはベストではないとコメント。一方で、対戦相手に敬意を払っている限りは、そうした行為も「極めて不快」といえるほどではないとした。またLeon氏は、Riddles氏が対戦相手である自分には敬意を払ってくれたと伝え、心配まじりの回答をしていた。

とはいえ、どういう事情であれコントローラー投げは暴力的行為の一種。スポーツマンシップに違反しており許しがたいことである。今回は器物に対する八つ当たりであったものの、『スマブラSP』の大会シーンにおいては先日イタリアにて、ストレート敗退した選手が勝者を殴りつける映像が出回り、物議を醸していた。


小さな大会ではあるものの、「プロプレイヤーは暴力的」と印象づけるには十分な映像だ。コミュニティ自体が暴力に過敏になっている中で、こうしたコントローラー投げシーンが出回るのはコミュニティにおける心証としては良くない。『スマブラSP』のプロシーン選手は、日本人プレイヤー含めほとんどが紳士的である。それだけに、今回の行動は残念だろう。

Riddles選手は敗戦および前述の行動もあってか、試合後に自身のTwitterアカウントを削除。しかし本日になってアカウントは復活している。同選手は2003年生まれで、今年5月で20歳になる若きプレイヤー。経験を積むなかで、成熟していくことを期待したい。