『スプラトゥーン』そっくりなゲームが開発中とされ批判集まる。見たことがあるような、ないような
『スプラトゥーン』にそっくりなゲームが批判を集めているようだ。ゲームの名前は『Cyberverse』。中国で開発されているようだが、『スプラトゥーン』にシステムやビジュアルが酷似しており、疑問のまなざしが向けられている。
きっかけとなったのは、中国情報に強いメディアSuperpixelの動画だ。同メディアは1月13日に、「中国のデベロッパーが、開発中のモバイルゲームのゲームプレイデモを披露した。しかしこれは完全に『スプラトゥーン』のパクりだ」と糾弾。『Cyberverse』の動画を投稿した。
動画を見てみよう。一面に広がるのは、青と黄色に塗られたエリア。三人称視点でキャラが動いており、時にインクに潜っている。たしかに『スプラトゥーン』を彷彿とさせる。ギミック的にも類似点が見られる。上のゲージは塗られたインク量を示している。インクに潜ることで弾を撃つエナジーが補充されるようだ。ウルトラショットやメガホンレーザー5.1chらしき大技や、スプリンクラー、あるいは傘のようなギミックもちらり。ブラスターのような武器やリッターのような射線の武器、オーバーフロッシャーのような武器なども確認できる。
どこまで似ているかの判断は各々に異なりそうだが、強く影響を受けて作られたと考えるのは自然だろう。Superpixelが投稿した動画には「盗作」として『Cyberverse』を批判する声が数多く寄せられている。あるいはそのキャラクターデザインから「Blizzardが作った『スプラトゥーン』」といった皮肉なコメントを寄せるユーザーも散見される。
では『Cyberverse』でどんなゲームで、誰が作っているのだろうか。どうやら『Cyberverse』はXRゲームとして作られているようだ。XRとはクロスリアリティを意味する。VRやAR、MRなど現実世界と仮想世界を融合させる体験技術の総称だ(デジタルハリウッド大学)。ゲーム映像こそ普通にシューターであるが、XRゲームとしても作られているそうだ。実際、同ゲームのWeibo公式アカウントでは、現実の街でシューティングゲームをしている映像も確認できる(Weibo投稿)。
テクノロジーの方向性が異なるとはいえ、ゲームプレイの『スプラトゥーン』との相似点は気になるところではある。なお開発元は2012年にXbox向けに発表された『Color Wars』について、映像を出して言及している。『Color Wars』は『スプラトゥーン』より前に疲労され、『スプラトゥーン』発売時にたびたび比較されたゲーム。本作はあくまで『スプラトゥーン』より前に出た『Color Wars』を参考にしたと言いたげである。
【UPDATE 2023/1/24 0:00】
『Color Wars』が発売されたのではなく発表された作品であると訂正
前出のSuperpixelは、開発者のLuo Wei氏は、中国の大手メーカーHuawei系関連企業Beijing Heretoの社員であると記述している。Beijing HeretoのWeChat上でもこのゲーム映像はお披露目されているという。なお『スプラトゥーン』と酷似する点が見られるだけでなく、フリーランスのアーティストであるAlexis Rives氏は「自分のデザインしたイラストに似たキャラがいる」と間接的に指摘している。なかなかの疑惑の多いゲームであるようだ。
ちなみに中国ではかつて『Sepia GO!』なるゲームが存在し、こちらはより『スプラトゥーン』そっくりなアプリであった(関連記事)。そういった意味では『Cyberverse』は『Sepia GO!』よりはややオリジナル要素あり。ただし塗りが楽しい『スプラトゥーン』に対し、『Cyberverse』では塗りではなく対人の銃撃ばかりにフォーカスが当たっており、筆者個人の感想としては、あまり面白くなさそうである。
本家『スプラトゥーン3』はNintendo Switch向けに発売中だ。