アクションRPG『Atomic Heart』を手がけるデベロッパーMundfishは1月16日、Twitter上にて声明を発表した。同スタジオに対しては、自らの立ち位置を明確にするよう求める意見が寄せられていたとのこと。明言はされていないが、ロシアによるウクライナ侵攻に関連する意見とみられ、それに回答した格好となる。
Mundfishが開発中の『Atomic Heart』は、極秘任務を託されたエージェントP-3となり、軍の秘密施設や研究所に潜入する一人称視点アクションRPG。人類に反旗を翻したロボットや、実験で生み出されたミュータントに対し、銃や近接武器、また試作型パワーグローブによるスキルなどを駆使して立ち向かう。また本作は、1955年の架空のソビエト連邦を舞台にする作品でもある。
そしてMundfishは、海外メディアなどでは“ロシアのスタジオ”であると紹介されることが多い。というのも、スタジオを立ち上げた4名がロシア出身のクリエイターのようで、実際モスクワにもオフィスを構えている、あるいは構えていた時期があった模様。ただし、現在本拠はキプロス共和国に置いており、昨年11月頃からは公式サイトでもその点が明記されるようになっている。
昨年2月より続くロシアによるウクライナへの軍事侵攻にあたっては、ロシアで活動するゲームスタジオから、戦争に反対し平和を訴える動きがみられた(関連記事)。そうしたなかで、ロシアに所縁があり、またかつての同国をモチーフにした作品を制作するMundfishに対して、この戦争についてどういったスタンスでいるのか問う声が寄せられていたようだ。
今回の声明にてMundfishは、同スタジオはグローバルチームであることを強調。世界中から集まったタレントによって構成されるスタジオだということだろう。さらに人々に対する暴力に反対し、平和主義を掲げる集団でもあるとしている。一方で、政治や宗教についてはコメントしないとし、『Atomic Heart』を世界中のゲーマーに届けることだけに集中していると述べた。また同スタジオは、攻撃的であったり憎悪的、差別的、暴力的あるいは脅迫的であったりするような言動やスパム投稿を容認することはないともコメントしている。
同スタジオは暴力反対を訴える一方で、ロシアやウクライナおよび軍事侵攻には直接言及していない。曖昧な立場表明ながらも、ある種のメッセージを発するかたちとなった。また、攻撃的な投稿などについて言及した部分は、以前から同スタジオに対する心無い投稿が繰り返されており、それに対して釘を刺したものと思われる。今回の声明に対しても、同スタジオがロシア政府を支持していると決めつけるかのようなコメントが散見される。
『Atomic Heart』は、PC(Steam)/Xbox One/Xbox Series X|S向けダウンロード版が年2月21日に、PS4/PS5向けダウンロード・パッケージ版が4月13日に発売予定だ。ゲーム内は日本語字幕に対応する。