ゲームクリエイター志倉千代丸氏が、MAGES.の代表取締役会長を退任へ。しかしクリエイター活動は続ける
志倉千代丸氏は1月4日、MAGES.の代表取締役会長を退任すると発表した。任期満了による退任だという。クリエイターとしての活動は続けるようで、「今後MAGES.とは新しい関係、新しい立場で、引き続き顔馴染みのスタッフ達と、再び新作など発売出来る体制が築けるよう話し合いをおこなっています」と語っている。
志倉千代丸氏は、ゲーム制作や音楽プロデュースなど多岐にわたる活動をしているクリエイターだ。プログラマーとしてゲーム業界の門を叩いたのち、作曲家としてもキャリアを積んでいく。その後MAGES.の前身となる5pb.を設立し代表取締役社長に就任。AG-ONEと5pb.が合併して発足したMAGES.でも社長を務めた。
その後MAGES.がドワンゴ傘下に入ったのち、MAGES.の代表取締役会長に就任。N高等学校の運営含め、ドワンゴの経営にも関与していた。MAGES.が2019年にドワンゴから独立した際には再び社長に。2020年にコロプラ傘下に入った際も、社長もしくは会長としてMAGES.を指揮していた。
志倉氏は、ゲームプロデュースと音楽プロデュースの両面で活躍。数々のアニメソングを生み出したほか、ゲームでは『CHAOS;HEAD』シリーズや『STEINS;GATE』シリーズ、『ROBOTICS;NOTES』や『OCCULTIC;NINE』といった科学やSFをまじえたユニークなノベルゲームを生み出してきたわけだ。ただし経営面ではMAGES.ではやや苦境に陥ったようで、2022年9月期の決算では、経常損失5億5600万円と前年比で減収・赤字幅拡大が報告されていた(gamebiz)。そうした決算が影響したのか定かではないが、任期満了にて会長職を退くようだ。
一方で前述したように、志倉氏はクリエイターとしての活動は続けることを望んでいるとのこと。MAGES.の発表によると、今後はエグゼクティブプロデューサーとして原作や新作ゲームの開発に専念するそうだ。経営から離れることで、リソースをクリエイティブな部分に集中できる可能性もあるだろう。志倉氏の今後の活躍を期待したい。
【UPDATE 2023/1/4 15:00】
MAGES.のIR発表について追記
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