Steam極貧生活シム『大多数』が配信停止の隙に、海賊版らしきゲーム現る。スクショもストア説明文も同じ

『大多数(Nobody – The Turnaround)』の、海賊版らしきゲームがSteamにて配信されているようだ。開発元が、盗作であると訴えている。

Steamにて今年11月に早期アクセス配信が開始されにわかに人気を獲得するも、技術的な問題により配信停止された『大多数(Nobody – The Turnaround)』の、海賊版らしきゲームがSteamにて配信されているようだ。開発元が、盗作であると訴えているという。

『大多数』は、U.Ground Game Studioが手がけるライフシミュレーションゲーム。何ひとつ恵まれたものをもたない、いわゆる社会の大多数に属するプレイヤーは、アジア風のスラム街にて借金返済のために日々働く。主人公には健康や感情などのステータスがあり、労働者の仕事や生活がリアルに再現されている。

本作は、Steam Nextフェスに合わせて体験版が配信され、同時接続者数はピーク時に3万人を突破。そして11月17日に早期アクセス配信が開始されると、同時接続者数は一気に8万人を超えるなど大きな人気を獲得。しかし配信開始から24時間経たずして、開発元により配信停止となった。ユーザーから、Windows OSの古いバージョンで本作が起動しないという報告が寄せられたため、問題が解決されるまで取り下げられたという(関連記事)。



『大多数』の配信再開の目処が立たないなか、12月28日に『九霄大陆』という作品がSteamにて配信開始された(購入ボタン横には『人生模拟器-平凡的打工人』と記載)。開発元はNine Stars Teamとされ、タイトル名も異なるものの、ストアページに掲載されたスクリーンショットは『大多数』のゲーム画面と同じ。さらにゲームの概要文は、“大多数”と書かれた部分以外は、一言一句まったく同じとなっている。ただ、なぜかシステム要件だけはスペックが異なっている。

ゲームの内容についても『九霄大陆』は『大多数』と同一の模様。SteamDBでも、両者のゲームファイルの多くが一致していることが確認できる。そして『九霄大陆』のユーザーレビューでは、同作が海賊版であるとして不評ばかり投じられている状況だ。

本件を報じた中国メディア3DMGAMEによると、『大多数』の開発元は『九霄大陆』が盗作であることを確認したとのこと。そしてSteam側に対処を申し入れているところだそうだ。Nine Stars Teamの意図は不明ながら、状況からすると不正なリリースであることは濃厚。『九霄大陆』はじきにSteamから削除されるものと思われる。

【UPDATE 2022/12/31 12:20】
『大多数』の開発元は12月30日、Steamのストアページ上で声明を発表した。その内容は、『九霄大陆』なる作品がSteamにて販売されていること、そして同作が『大多数』の海賊版であると確認したと報告するものとなっている。また、これは深刻な著作権侵害行為にあたるため、今後必要な法的措置を講じるつもりであるとした。


一方、『九霄大陆』のストアページでは同時期に変化があった。これまで掲載されていた『大多数』と同内容のスクリーンショットやゲーム概要文が削除され、まったく別のゲームのものに差し替えられたのだ。販売価格も変更されている。ゲーム内容は、建築・探索要素のあるオープンワールド・サンドボックスゲームとのこと。よくよく見ると、ゲーム内容を示すタグ設定は、元々この差し替え後の作品の内容を指していたようにも感じられ、なぜ『大多数』の海賊版が配信されていたのか謎を深める事態となっている。ただ現時点で、『九霄大陆』の開発元は沈黙したままである。

Taijiro Yamanaka
Taijiro Yamanaka

国内外のゲームニュースを好物としています。購入するゲームとプレイできる時間のバランス感覚が悪く、積みゲーを崩しつつさらに積んでいく日々。

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