PS5の買い取り価格が一部ショップで下落傾向、転売にも影響。増産体制の成果か


PlayStation 5の中古価格が一部で下落しつつあるようだ。PS5は、発売以来長らく品薄状態が続いている。通常小売店では、基本的にPS5の中古価格は定価以上に設定されていないが、業者によってそれ以上の価格をつけるところもある。しかしながら、そうした“自由な価格設定をする業者”の間で、PS5の買い取り価格が下落傾向にあるようだ。なお、現在PS5のディスクドライブ内蔵のモデル(CFI-1200A01)の定価は税込6万478円である。

具体的な価格の変化を、Wayback Machineを通じて比較しよう。まず買い取り業者「買取1丁目」の価格から。まず同社は2022年2月9日時点で、PS5のディスクドライブ内蔵モデルの買い取り価格を8万1000円としている。しかしながら12月22日時点では同等モデルの買取価格は6万7000円となっている。2月と比べ、1万4000円ほど買い取り価格が下がっているわけだ。

2月9日時点
12月22日時点


買取業者「買取ルデア」は、2022年5月31日時点で、PS5のディスクドライブ内蔵モデルの買い取り価格を7万8000円に設定している。しかし12月22日時点では同等モデルの価格は6万3000円。こちらも1万5000円ほど買い取り価格が下がっている。さらに買い取り業者「森森買取」は2022年8月18日時点にディスクドライブ内蔵モデルに8万円の買い取り価格をつけている。こちらは12月22日時点で買取価格が6万6000円ほど。やはり1万4000円ほど下がっている。

8月18日時点
12月22日時点


と、いくつか例をあげるだけでも、この秋から冬にかけて、一部買い取り業者の間でPS5のディスクドライブ内蔵版の買い取り価格が下がっているのだ。こうした傾向はディスクドライブを搭載しないデジタル・エディションでも同様。モデル自体が違う(とはいってもマイナーチェンジ版)といった差異はあるものの、PS5自体の中古市場価格が適正な方向に進んでいると考えられるだろう。

SIEはかねてから、PS5の本体台数増産に意欲を見せていた。特に今年秋に入っては、SIE役員も具体的な増産を明言。SIE取締役の浦田樹一郎氏は、12月2日実施された「PlayStation Partner Awards 2022 Japan Asia」にて、PS5の本体供給についてコメント。「日本においても年末年始にかけて、PlayStation 5の供給数を従来に比べて大幅に増やしていける体制をすでに整備しております」とコメントしていた(PlayStation.Blog)。

そうしたコメントに呼応するように、GEOやヨドバシカメラなど大手小売店でPS5が一般販売されているとの報告がSNSに多数寄せられている。一部ショップの買い取り価格が下落していることからも、増産により世の中に多くのPS5が出回りつつあることがうかがえる。また本体の市場価格が下がれば、いわゆる転売の旨味も減ることになる。そして業者のビジネスに利用される機会が減れば、ゲームを遊びたいユーザーにPS5本体が届くことにつながる。


とはいえ、こうした業者は依然としてPS5を定価並の価格で買い取ろうとしている。つまり、定価で買ってそれ以上で売ろうとする人はまだまだいるのだろう。定価以上の価格でPS5を買い取っていない大手小売の買い取り価格も、依然として下がっていない。欲しいと思った人が定価ですぐに買えるような状況とは限らない。しかしながら、この秋から冬にかけて、本体が多く出回っているのは喜ばしい。本当にPS5が欲しい人に届くようになることを願うばかりである。