スクウェア・エニックスは12月9日、『フォースポークン』体験版をPS5向けにリリースした。来年1月発売が迫る本作のゲームプレイをひと足早く体験できる。そのなかで「あるオプション」が注目を集めている。
そのオプションとは「カフの喋る頻度調整」である。カフとは、本作における案内役になるキャラ。『フォースポークン』の物語は、主人公のフレイ・ホーランドが異世界であるアーシアに飛ばされたという設定。異世界にきたフレイには腕にブレスレットが巻き付いており、そのブレスレットがカフというわけだ。ブレスレット扮する相棒が、道中をサポートする体裁がとられている。
このカフ、体験版時点でかなり喋るのである。とはいっても、カフだけでなく主人公のフレイもよく喋る。フレイとカフの間で、さながら漫才のようなトークが展開されるのだ。フィールド探索やバトルなど、さまざまなシチュエーションでこうした掛け合いが発生。ゲームプレイを盛り上げる。そして、そうした掛け合いの量はオプションから減らすことが可能である。
具体的には、「セリフの発生頻度」オプションから、細かく調整可能。4段階で調節できる。たくさん喋ってほしいなら「多め」。ちなみに「最小」にすると重要な場面でしか喋らなくなる。「多め」「普通」「少なめ」「最小」それぞれに設定し一通りプレイしたところ、「多め」は確かにカフがたくさん喋る。コミカルなトークに加えて、ヒントとなる話もしてくれ、かなり会話パターンは幅広い。最小になると、本当に何も話さなくなる。何も無駄なことを話さない。重要なシーンでは喋るとはいえ、ほぼ無口になる。中の人が変わったとすら思える変貌っぷりだ。
面白いのは、このオプションは音声カテゴリーではなくアクセシビリティのカテゴリーにあること。つまり遊びやすさに配慮した項目なのである。なおカフを演じるのは三上哲さんで、そのボイスはセクシー。本体はあくまでブレスレットながら、性格は皮肉なおじさんめいており、なかなかニヒルで魅力がある。そんなカフの喋る量を調整できるというオプションがあることが興味深い。
ガイド役の喋る量を調整できるゲームとしては、ケモノオープンワールド『バイオミュータント』があげられる。同作では、ガイド役の喋る量を調整可能。また発売直後からナレーターであるオートマトンがうるさいとの不満が寄せられ、アップデート実施。ナレーターの喋る量が減った。かなりガイド役の喋り仕様に変更が入っていた。また12月13日発売予定の『High On Life』についても、会話量を減らすオプションが存在するという(PCMag)。
【UPDATE 2022/12/13 14:00】
『バイオミュータント』の喋り仕様の記述を修正
前例はいくつかあるものの、キャラ同士の掛け合い演出に強みをもつスクウェア・エニックス、引いてはキャラ同士の掛け合いが大量に存在する『FF15』に携わったチームがこうしたオプションを導入したこと自体面白いだろう。開発陣としては大量に収録したボイスは聞いてほしいところだろうが、あえて黙らせることもできるわけだ。本作のアクセシビリティオプションはかなり多彩なので、あくまでその中のひとつなのかもしれない。いずれにせよ、選択肢が多いのはありがたいことである。
『フォースポークン』は2023年1月24日に、PS5/PC向けに発売予定。ちなみに、体験版で遊べるクエストなどは、あくまで体験版向けに特別に用意されたものとのことだ(Gematsu)。
※ The English version of this article is available here