ドワーフ生活シム『Dwarf Fortress』Steam版の売上がわずか1日で16万本を突破。“とにかくお金を落としたい”人々が支える快進撃
パブリッシャーのKitfox Gamesは12月7日、ドワーフ生活シミュレーションゲーム『Dwarf Fortress』のPC(Steam/itch.io)版の売り上げが、16万本を突破したことを明らかにした。同スタジオは、16万本を販売するには2か月かかると推計していたが、ローンチからわずか1日で達成したとのこと。
『Dwarf Fortress』は、Bay 12 Gamesが手がけフリーウェアとして2006年から提供されているドワーフ生活シミュレーションゲーム。そのゲームプレイのコア要素はそのままに、ビジュアルやUIなどが刷新されたバージョンが、Steam/itch.io向けに12月6日に配信された。
本作にてプレイヤーは、プレイするたびにランダム生成される広大な世界でドワーフたちの文明を築く。水や食料を確保してサバイバルをおこないながら、資源を集め拠点となる砦を建設するのだ。鉱物などの資源は200種類以上配置され、また数百種類の動物やモンスターも登場。狩りや農業、ほかの文明との交易、経済の構築、楽器やダンスの練習など、幅広い要素を楽しめる。
現時点で本作は、Steamでは約6500件のユーザーレビューが投稿されており、その97%が好評とする「圧倒的に好評」ステータスとなっている。また、Steam版の同時接続プレイヤー数を見てみると、ピーク時には約2万2000人にまで到達(SteamDB)。かなり好評であることがうかがえる。
本作の販売元Kitfox Gamesの共同設立者Tanya X. Short氏によると、同スタジオでは本作の売り上げについて、最初の2か月でおよそ16万本に届くと推計していたという。これは、Kitfox Gamesが過去にSteamでリリースした作品の成績や、ウィッシュリスト登録数などをもとに算出した数字とのこと。メーカーとしては売り上げの予測を立てることは大事であり、正確な数字を導き出せるかどうか実験していたわけだ。
しかし、結果としては2か月どころか、配信開始から24時間経たずして16万本を突破したそうだ。予測を大きく外してしまった結果となったが、Short氏の報告に対しては祝福や賞賛の言葉が、業界関係者やファンから数多く寄せられている。
本作がこれほど大きな売り上げをスピード達成した背景には、カルト的人気を得ていたオリジナル版のファンの多くが、この新たなバージョンを買い求めたということが考えられるだろう。その一端がSteamの掲示板にて見て取れる。掲示板には、ユーザーレビューの投稿数がどんどん伸びていく様子を伝える投稿があり、投稿者は「フリーウェアのオリジナル版を長年プレイしてきた彼らは、30ドルを支払う機会をずっと待っていたというのか?」とコメント。これに対し「Yes」などと短く肯定する返信が殺到し、現時点で162ページ分までスレッドが伸びるという異様な光景となっている。熱心なファンを多く抱える作品であることがうかがえる。
『Dwarf Fortress』は、PC(Steam/itch.io)向けに配信中。フリーウェアのオリジナル版の提供および開発も継続されている。