『サイバーパンク2077』シニア・クエストデザイナーのPhilipp Weber氏は、Eurogamerのインタビューを通じて、本作ではマルチプレイモードの開発よりもシングルプレイコンテンツの改善が優先されてきたことを明らかにした。
『サイバーパンク2077』では、シングルプレイモードのほかにマルチプレイモードが開発されていることが明かされていた。しかしながら、発売から2年が経とうとする現在でも、マルチプレイについての情報はない。
CD PROJEKT REDに所属するPhilipp Weber氏は、Eurogamerのインタビューを通じて、マルチプレイコンテンツについて言及した。同氏によると、『サイバーパンク2077』においては“ゲームのメイン要素を快適に遊んでもらうための改善”に高い優先度を置いてきたという。そうした部分に高い優先順位がつけられ、その影響でほかの部分の開発は停滞していたことも示唆されている。
『サイバーパンク2077』は発売当時、ゲームのコア部分は評価されながらも、バグなどの不具合問題やPS4/Xbox One版の最適化不足などパフォーマンスに関する批判が寄せられていた。その後CD PROJEKT REDは、複数の大型無料アップデートを実施。不具合修正に加え、ゲームバランスの調整も実施されてきた。開発元はそうした対応に重点を置いていたのだろう。
また発売後には、CD PROJEKT REDは『サイバーパンク2077』のマルチプレイ実装についてやや慎重に。2021年1月時点では、CEOであるAdam Kiciński氏がマルチプレイについて“再検討する”とコメントしていた。Kiciński氏はあわせて、大規模なオンライン技術を開発しており、将来のタイトルに活かすことができると言及。一方これはユーザーから、『サイバーパンク2077』のマルチプレイコンテンツという点で、開発中止や遅延というニュアンスをもって受け止められた。そしてこのたび、別スタッフに対するインタビューにて、マルチプレイの開発が停滞していたことが明らかになったわけだ。
そもそもマルチプレイコンテンツについては、『サイバーパンク2077』発売前の時点から「発売後にDLCや無料アップデートを実施したのちに、実装する」と告知されていた。同作のDLCは今後発売予定なので、その後展開される可能性もある。いずれにせよゲーム本編がリリース時点で洗練されきっておらず、無料アップデート期間が長びいた関係で、DLC開発と同じくマルチプレイコンテンツ実装も先延ばしになっていたのだろう。
CD PROJEKT REDは今年10月の事業戦略報告において、今後の開発タイトルでは、シングルプレイの物語提供だけでなく、マルチプレイ体験も提供していくと強調していた。具体的には、現在開発中のコードネーム『Project Sirius』ではマルチプレイが導入されることが明言されている。『Project Sirius』は、『The Flame in the Flood』などで知られるThe Molasses Floodが開発を担当する『ウィッチャー』関連作品だ。『サイバーパンク2077』に実装されるかどうかは不透明だが、CD PROJEKT REDのオンラインコンテンツへの挑戦は今後も続いていくのだろう。