『スプラトゥーン3』マルチミサイルが“大幅”弱体化。検証からもわかる、マルミサ遠方射撃戦法を減らそうとする固い意志

任天堂は11月30日、『スプラトゥーン3』更新データVer. 2.0.0の配信を開始した。マルチミサイルが大幅に弱体化したことが、検証からもわかる。

任天堂は11月30日、『スプラトゥーン3』更新データVer. 2.0.0の配信を開始した。調整内容どおり、マルチミサイルが大幅に弱体化。検証したところ、かなり大きめに調整が入っている印象だ。


マルチミサイルは、スペシャルウェポンのひとつ。発動時には、ロックオンサイトが出現し、サイトで捕捉した相手に上空からミサイルを叩き込む。ひとつひとつの威力は致命的ではないものの、総弾数が10~16(ロックオンした相手の数により変動)と多い。その関係で塗りとしても強い。遠方の敵についてもロックオンできることや、敵を無理やり動かすことができることなど、さまざまな点で強さをもつ。もともと強力なスペシャルであったが、『スプラトゥーン3』になりこのマルチミサイルの運用方法が問題視されていた。それは「自陣から出ずマルチミサイルを撃ちまくる」という戦法が蔓延していたからである。

現時点では、マルチミサイルはソイチューバー、ヴァリアブルローラー、そしてLACT-450についている。問題なのは塗りが強い後者ふたつのヴァリアブルローラーとLACT-450だ。両ブキともに塗り性能が一定ある。スペシャルゲージは塗ることで溜まっていく。それによって、両ブキで自陣で塗りをしてマルチミサイルを溜めて撃つという戦法が、リリース直後から流行していたのだ。


もちろん、自陣で塗りを進めてマルチミサイルを撃つことも、れっきとした戦法のひとつ。しかし、他プレイヤーに与えるデメリットも少なくない。味方としては前線に仲間がいないと戦線が下げられるし、敵としてもマルチミサイルのロックオンを回避し続ける戦いはストレスがたまる。使用プレイヤーとしては塗りポイントなどを稼げるが、自陣にこもってマルチミサイルを連発する戦法は他プレイヤーのストレス要因になりうる戦い方でもあった。

任天堂ははやくからこの問題について言及。更新データVer. 1.2.0では、ヴァリアブルローラーとLACT-450の使用スペシャルポイントを200から210へとほんのり上昇させた。さらにパッチノートにて「バトルに関しては、離れたところからサブウェポンやスペシャルウェポンを使用し続けるような戦法を、ある程度抑制するための調整を行いました」と記述していた。しかし、あくまで対応したのはスペシャルポイントの微増。運用としては大きな変化はないとされていた。


そして本日配信された更新データVer. 2.0.0では、さらなる調整が入った。パッチノートには「発射を確定したあとも、スペシャルゲージが徐々に減少するようにし、完全にゲージがなくなるまでの間は、新たにスペシャルゲージをためることができないようにしました」と記載されている。つまり、これまではマルチミサイル発射後すぐにゲージがたまる仕様だったが、アップデートによってゲージが段階的に減少するようになった。以下の動画を見ていただくのが早いだろう。


つまり、仕様変更によってマルチミサイルを発動できる間隔が長くなったわけだ。ゲージ減少の時間が遅くなったことに加えて、ゲージ減少中に塗りを進めることでゲージを溜めることは当然不可能。かなり回転率が悪くなった。さらに、発射後のゲージ減少中にステージ外に飛び込むなどしてデスをし、ゲージ減少をリセットするといった手法もできないことも確認している。

任天堂は今回のパッチノートでも「バトルに関しては、マルチミサイルを遠くから撃ち続ける戦法の攻撃頻度を落とす調整のほか、一部のブキの使い心地を向上させる調整を中心に行いました」と記載している。この調整に意図があるのは明らか。マルチミサイルはしっかりめに弱体化することとなった。

この仕様変更によって、この戦法をするプレイヤーが減るかは不透明。しかし自陣塗りをしながらマルチミサイルをする旨味が減ったのは確か。前線での駆け引きは以前よりも活発化しそうである。新シーズンはどのような環境になるのか、楽しみだ。

『スプラトゥーン3』新シーズンは12月1日開幕予定。更新データVer. 2.0.0は本日より配信されている。



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Ayuo Kawase
Ayuo Kawase

国内外全般ニュースを担当。コミュニティが好きです。コミュニティが生み出す文化はもっと好きです。AUTOMATON編集長(Editor-in-chief)

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