Steam基本プレイ無料ローグライク『Sketch Crawler』早期アクセス配信開始。プレイヤーが自分で描いてデッキ構築

ゲーム開発スタジオのKoanは11月15日、ローグライクカードゲーム『Sketch Crawler』を早期アクセス配信開始した。対応プラットフォームはPC(Steam)で、基本プレイ無料で配信中だ。

ゲーム開発スタジオのKoanは11月15日、ローグライクカードゲーム『Sketch Crawler』を早期アクセス配信開始した。対応プラットフォームはPC(Steam)で、基本プレイ無料で配信中だ。

『Sketch Crawler』はデッキ構築型ローグライクカードゲーム。本作の舞台となるのは、落書きが魔法の力をもつ世界だ。この世界の王は、黒魔術以外のすべての色の魔法を習得したという。しかし、ある日送られてきたスケッチに王が触れると、王国全体が絵の世界に吸い込まれてしまう。プレイヤーはDoodler(いたずら書きする人)となり、黒魔術師やペテン師の邪悪な策略から王を救出するべく、漫画の中のダンジョンに潜り込む。

本作の戦闘は、一人称視点のターン制となっている。ランダム生成されるマップには敵クリーチャーが徘徊しており、接触しての近接攻撃や、魔法などの手札を駆使して倒す必要がある。敵の視界に入っていない状態だと休息をとることができ、体力が回復。手札も引き直すことができる。マップには、そこで停止すると継続ダメージを受ける罠などが施されており、何体もいる敵の動きを推測しつつ動く必要がある。ダンジョンの構造や敵の配置は自動生成され、プレイするたびに新しくなるなどローグライク要素も盛り込み。プレイごとに新鮮なマップにて、臨機応変な行動が必要となる。


本作の大きな特徴として、ゲーム内に登場するさまざまなオブジェクトをプレイヤーが自分で描くことができる。たとえば敵味方のクリーチャー・呪文のエフェクト・壁の模様のほか、ダンジョン内のオブジェクトや装飾に至るまで、ゲーム内のあらゆるオブジェクトを自分で描き直すことができるのだ。プレイヤーが作成したスケッチは保存され、以降のダンジョン生成で使用される。

お絵描きパートでは、手本となるキャラクターやオブジェクトが背景に表示されており、なぞるだけでもそれなりに見栄えの良いものができあがるようになっている。もちろん、オリジナルな絵を描くことも可能。カードゲームではおなじみのフレーバーテキストも、好きなように入力することができる。フレームを追加することで簡単なアニメーションを作ることも可能。ちなみにクリーチャーのボイスもプレイヤーが録音することができる。

お絵描き要素は、ただのカスタマイズ機能にとどまらない。本作の舞台となる世界では、色に独自の不思議な力がある。プレイヤーが描く際に味方クリーチャーに着色すれば、そのクリーチャーが色に対応する新たな能力を習得することができる。また、魔法の呪文に色をつけると、魔法を強化することができる。プレイヤーの描いた色彩が、実際の性能にも反映されるわけだ。


本作は基本プレイ無料作品として、少額課金要素も盛り込んでいる。課金要素としては新しいキャラクターの解放や、経験値などの戦闘報酬ブーストが存在。また、課金すると、お絵描きパートを飛ばして基本絵を使い回せるようになるそうだ。なお、開発者は少額課金要素についてのユーザー意見を聞かせてほしいとの旨を述べている。


本作を手掛けるKoanはウクライナのスタジオ。同スタジオはかつてGSC Game Worldや4A Gamesに在籍した開発者、Alexey Sytyanov氏が率いているそうだ(GameDev DOU)。同氏は、過去在籍した各スタジオにて『S.T.A.L.K.E.R.: Shadow of Chernobyl』や、『メトロ エクソダス』などのゲームデザインに携わった人物だ。

本作の前身となる作品として、『Sketch Tales』なるタイトルがある。こちらは2015年にSteamで配信されており、本作『Sketch Crawler』と似通ったコンセプトをもっている。同氏は『S.T.A.L.K.E.R. 2:Heart of Chornobyl』の開発中止などもあり、GSC Game Worldを離脱。キーウ郊外にあるワンルームマンションを約5万ドルで売却し、長年温めていた構想をもとに新たなゲームの開発に取り掛かったそうだ。それが『Sketch Tales』だったものの、同作は商業的に失敗し、プロジェクトを凍結せざるを得なくなったようだ。今回の『Sketch Crawler』は、そうした経験を踏まえての、ベテランによる再起の作品というわけである。


なお、本作は早期アクセス配信期間として「少なくとも数年間」を見込んでいる。早期アクセス配信開始現在でも、フルにプレイできクリアも可能とのこと。ダンジョンの自動生成や、4種類のメインロケーションのほか、それぞれ300種を超えるキャラクターやマジックカードなども実装済み。50時間以上は楽しめるとしている。正式リリースに向けては、新たなカードメカニックやロケーションのほか、クエストやキャラクターの追加といったコンテンツ追加が実施される見込み。なお、正式リリース時にも基本プレイ無料は変わらない予定だそうだ。

『Sketch Crawler』はSteamにて、基本プレイ無料で早期アクセス配信中。なお、本作は日本語表示にも対応するものの、日本語含む多くの訳が機械翻訳。フォントも漢字が一部表示されないなど不安定なところがある。そうした一連の言語については、今後のアップデートで改善していく予定はあるようだ。

Daiki Imazato
Daiki Imazato

下手の横好きでシミュレーションゲームなどをしています。自分のミスでだんだん状況が悪くなっていく様を他人事のように眺めるのが好き

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