『INSIDE』元開発者のスタジオJUMPSHIP、デビュー作『Somerville』のローンチと同時に買収発表。Thunderful傘下に

Thunderful Groupは11月15日、イギリスに拠点を置くデベロッパーJUMPSHIPを買収することで同スタジオと合意したと発表した。

パブリッシャーのThunderful Groupは11月15日、イギリスに拠点を置くデベロッパーJUMPSHIPを買収することで同スタジオと合意したと発表した。JUMPSHIPは、デビュータイトルとなる『Somerville』を本日リリースしたばかりである。買収金額は600万英ポンド(約9億9000万円)で、2027年12月までに特定の条件を満たすことで最大2400万英ポンド(約40億円)を支払うとのこと。買収手続きは本日中に完了する見込み。

JUMPSHIPは、『LIMBO』や『INSIDE』の開発元Playdeadの共同設立者Dino Patti氏が、映画業界で活躍していたアニメーターChris Olsen氏らと共に2017年に設立。同年にSFアクション・アドベンチャーゲーム『Somerville』を発表し大きな注目を集めた。

今回同スタジオを買収したThunderful Groupは、『SteamWorld』シリーズで有名なImage & Formと、『Fe』『Lost in Random』などで知られるZoinkといったスタジオが中心となって2019年に設立されたグループ企業。Thunderful Gamesとしてゲームの開発・販売を手がけているほか、流通や投資事業もおこなっており、これまでにはCoatsinkやRising Star Games、Headup Gamesなどのパブリッシャーやデベロッパーを次々に傘下に収めて、近年存在感を高めている。

今回の買収についてThunderful Gamesのゲーム担当最高責任者Agostino Simonetta氏は、強力な独自IPを構築するという戦略のなかで、『Somerville』にて奥深い芸術的ビジョンを示したJUMPSHIPを獲得するに至ったとコメント。同スタジオがもつ、物語主導のゲーム体験構築スキルを活かせるようにサポートしていくとした。一方のJUMPSHIPのスタジオディレクターClaire Boissiere氏は、同スタジオは独自の歩みを続けており、それを理解し真にサポートしてくれるThunderful Gamesと出会えて嬉しいとし、今後はゲーム制作に集中できると述べた。

JUMPSHIPの経営陣。右から2番目がDino Patti氏


またDino Patti氏によると、この買収については1年ほど前から協議してきたそうで、そのなかで両社にとって素晴らしい機会になると確信できるようになったとのこと。なお、Patti氏は今後Thunderful Gamesの戦略アドバイザーを兼任する。そしてJUMPSHIPは、これからもクリエイティブ面における自主性を保ちながら、物語主導のゲーム作品を手がけていくそうだ。

JUMPSHIPのデビュー作『Somerville』は、PC(Steam/Epic Gamesストア/Microsoft Store)/Xbox One/Xbox Series X|S向けに配信中。Xbox Game Pass向けにも提供されている。

Taijiro Yamanaka
Taijiro Yamanaka

国内外のゲームニュースを好物としています。購入するゲームとプレイできる時間のバランス感覚が悪く、積みゲーを崩しつつさらに積んでいく日々。

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