Steam廃墟高層都市サバイバル『Forever Skies』“デモ版が盛り上がりすぎて”早期アクセス配信延期。人が集まったからこそ見えた課題

Far From Homeは11月15日、『Forever Skies』の早期アクセス配信開始を来年2023年前半に延期すると発表した。同スタジオはSteam Nextフェスにデモ版を出展しており、そちらが大好評。だからこそ延期するのだという。

ポーランドのゲームスタジオFar From Homeは11月15日、『Forever Skies』の早期アクセス配信開始を来年2023年前半に延期すると発表した。もとは2022年内に発売される予定として発表されていたが、現在Steamストアページのリリース予定日欄には2023年第2四半期と登録されている。また5日には、今年10月のSteam Nextフェスにて公開されていたデモ版がアップデートされて再びプレイできるようになっている。

『Forever Skies』は、一人称視点のポストアポカリプスサバイバルゲーム。対応プラットフォームはPCおよび次世代コンソール。主人公は生態系上の大災害によって荒廃した地球に帰ってきた。地上には有毒な砂塵が蔓延しており、逃れるために人々は高層ビルを建設していたが、そのビルも今や廃墟となっている。廃ビルから廃ビルへとハイテクな飛行船基地を操縦し、生き残るための資源を漁り、飛行船をアップグレードしたりカスタマイズしたりするのだ。時には地表付近に降りて、謎の病気を治すためにウイルス病原体を調査する必要もある。

同スタジオは今年10月のSteam Nextフェスにデモ版を出展しており、そちらが大好評だったようだ。延期を発表する投稿の中で、8万人以上のプレイヤーがデモを試し、アンケート回答者の83%がデモを10点満点中8点以上と評価したと述べており、これほどの好意的な注目とフィードバックを期待していなかったと感謝を伝えている。本作をフォローするユーザーはSteam Nextフェス前後の8日間で約1万人増えている(SteamDB)。


しかしながら、より深くフィードバックを見ると、多くのプレイヤーが「なくて残念」と思っていた要素が見え始めたという。また早期アクセス配信時にゲームをプレイする人が、当初の予測よりもはるかに多くなりそうであることを確認しているとのこと。早期アクセス開始後に少しずつアップデートする予定だった方針を、より仕上がった状態で早期アクセス開始する方針に変更するようだ。

同スタジオは、どのような要素をブラッシュアップするか、5つの要素を挙げ、かなり詳細に説明している。いわく「1、砂塵の下の根本的な仕様」「2、ロケーションの種類をより変化に富ませる」「3、飛行船の損傷と修復の根本的な仕様」「4、飛行船をよりカスタマイズできるようにする」「5、科学的な生存法」の5つだ。

1つ目の「砂塵の下」とは地表を指している。砂塵の下についてはまだ開発途上であるため、当初の計画では早期アクセスの最初のメジャーアップデートの1つとして追加する予定だったそうだ。しかし「砂塵の下で何が起こるのか」という質問がプレイヤーからあったようで、砂塵の下にあるエリアを早期アクセス開始時点で実装するとの判断に至ったらしい。新たなリスクとリワードのシステム、ゲームメカニック、設計図(ブループリント)など、同エリアに関連する機能の土台となる部分を実装したうえで、早期アクセスを始めるという。

また、今回新たに公開されたスクリーンショットでは、砂塵の煙る中、なにやら巨大な胞子のようなものがビルの壁面を覆っている様子が映されている。さらに、何らかの形でこのエリアの公開プレイテストを検討しているとのことだ。


2つ目の「ロケーション」は、廃墟となったビル群を指しているようだ。ロケーションは同スタジオのレベルデザイナーが作成しており、そのデータをもとに全体的なマップが自動生成されるようである。デモ版では2種類のロケーションデザインを利用できるようにしていたとのこと。登場するビルの種類の少なさを惜しむ声があったようであり、早期アクセスではロケーションの種類を増やすとしている。

3つ目の船体の損傷と修理については、意図的に盛り込まれていなかった。が、プレイした人は特に期待していた要素だったようだ。しかし「作業感をなくすために」([not] feel like some chore)まだ調整が必要としている。損傷と修理については、複数の問題のうちどれに対処するか、選択を迫られるようなゲームシステムにしたいそうだ。4つ目の船体のカスタマイズについては、船体を自分だけの作品のように感じてほしいと述べており、今回、船体のカスタマイズ例を紹介する新たな映像も公開している。

5つ目の「科学的な生存法」はウイルスに関連するもののようだ。事前情報やデモではかすかにほのめかされる程度だったが、本作では生存のために科学的なアプローチが必要であるとされている。具体的にはウイルスを研究して治療法を発見するということだ。今後はこれに加えて、ウイルスを改変し、新しい能力や強化を得ることができるようにするとのことである。

ゲームシステムのかなり広範にわたって強化したうえでお披露目したいという考えが伝わる。同スタジオは本作を発表した時点より、早期アクセス版へのフィードバックを経て完成度を高めたいとしていた(関連記事)。早期アクセス配信前にデモを実施し、そこでフィードバックが寄せられたことで、ユーザーがプレイする前にさらに煮詰められることになった。なお今月11月下旬にDiscordSteamコミュニティにてAsk Me Anythingを実施するとのこと。11月を通して質問を募集している。

『Forever Skies』は2023年前半にPC(Steam)向けに早期アクセス開始予定。次世代コンソール機にもリリース予定である。
【UPDATE 2022/11/16 0:15】
ブラッシュアップ予定の5つの理由の記述を調整

Daiki Imazato
Daiki Imazato

下手の横好きでシミュレーションゲームなどをしています。自分のミスでだんだん状況が悪くなっていく様を他人事のように眺めるのが好き

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