「進研ゼミ」会員向け学習ソフト『得点力アップシリーズ』Nintendo Switch向けに発表。オフライン対戦で”競い合い・教え合い”を狙う
株式会社ベネッセコーポレーション(以下、ベネッセ)は11月9日、Nintendo Switch向け学習ソフト『進研ゼミ 得点力アップシリーズ for Nintendo Switch』(以下、『得点力アップシリーズ』)を発表した。同社が運営する通信教育「進研ゼミ」の小学5年生・6年生・中学1年生の会員向けに、受講費内で提供される。提供は2023年3月より提供される4月号より開始予定だ。
同社のコンシューマ向けゲームソフトとしては、2008年発売のニンテンドーDS向けソフト『得点力学習DS』シリーズの例がある。今回のSwitch向け教材提供の背景には、コロナ禍における学習意欲への影響があるようだ。2014年より実施している東京大学とベネッセの共同研究プロジェクトの調査では、「勉強のやる気がわかない」と答える小学4〜6年生は53.7%に上ったとされている。この結果は新型コロナウィルス感染症拡大に伴う生活リズムや学習習慣の乱れなどによるものと見られ、直近4か年で20.7ポイントも増加しているとのこと。
この調査結果をふまえてベネッセは、10月4日にVRゴーグルを活用した「ハイリコム学習」の提供を発表。小学6年生の会員向けに、スマートフォンを利用したVRゴーグルおよびVR向け教材の提供を開始すると告知した。これに続く子どもたちの学習意欲向上への取り組みの第2弾として、Switch向けの学習教材『得点力アップシリーズ』を発表したかたちだ。普段遊びで使用するNintendo Switchを学習でも使用してもらうことで、日常的に勉強をおこなうきっかけ作りと、勉強が「わかるようになった」「楽しくなった」という経験作りを目指すという。
公開された『得点力アップシリーズ』の詳細は以下のとおりだ。まず各学年で特に苦手になりやすいテーマについて、重点的にソフトを開発。小学5年生には「世界の地理」、小学6年生には「歴史」、中学1年生には「定期テスト対策 (理科・社会)」を提供予定だ。さらに2種類のプレイモードを用意。「ひとりで学ぶ」モードでは、学年ごとに設定されているテーマの知識理解や演習をおこなう。オフライン対戦モード「みんなで学ぶモード」では、学習した知識をもとに、友達と一緒にバトルができるという。さらなるサービスの詳細については、今後発表されるとのこと。
なお先述の東京大学との共同研究プロジェクトの調査では、勉強が「嫌い」から「好き」になった生徒の特徴についても、傾向が伝えらている。勉強が「好き」に変わった生徒は、7割以上の生徒が学習動機のひとつに「友達に負けたくないから」と回答。また6割以上が「友達と勉強を教え合う」学習方法を取っているとのこと。「みんなで学ぶ」モードには、こうした友達同士での競争や教え合いを要素として組み込まれているそうで、学習意欲向上の支援が期待できるという。
今回の発表にあわせて、「進研ゼミ」商品責任者校外学習カンパニー副カンパニー長の成島由美氏は以下のように述べている。
成島由美氏:
新型コロナウィルス感染拡大の影響から、学習のペースが乱れ、孤立化や学習意欲低下の課題を抱える子どもたちが多くいます。しかしその学習意欲低下を子どもたちのせいにせず、私たちがいまある技術を駆使し、難しい時代を生き抜く子どもたちに学ぶ楽しさ、わかる嬉しさを届けたいと思っています。今回のNintendo Switchでの学習ソフトの提供は、子どもたちにとって、学びがより身近なもの、やってみたいことになり、ゲームをクリアしていく中で学んでいくことで、学びそのものの楽しさを実感できるものになると、確信しています。これからも「子どもの学習意欲の低下」という社会課題に対して、さまざまな新しいコンテンツを提供してまいります。
『進研ゼミ 得点力アップシリーズ for Nintendo Switch』は、「進研ゼミ」の小学5年生・6年生・中学1年生の会員向けに提供予定だ。