デベロッパーのRemedy Entertainmentは現地時間10月28日、2022年度第3四半期の業績を発表。このなかで、『Alan Wake Remastered』についてロイヤリティが発生していないと報告し、まだ損益分岐点を超えていない可能性を示唆した。
『Alan Wake Remastered』は、2010年発売のサイコスリラー・アクションゲーム『Alan Wake』のリマスター版だ。Epic Games Publishingが販売元となり、昨年10月にPC(Epic Gamesストア)/PS4/PS5/Xbox One/Xbox Series X|S向けにリリースされた。また、今年10月にはNintendo Switch版も発売されている。
本作の主人公は、ベストセラーサスペンス作家のアラン・ウェイク。スランプに陥っていた彼は、休養を取るため妻アリスと共に小さな田舎町ブライトフォールズを訪れるも、アリスが行方不明に。そして捜索に向かうアランには、闇を体にまとう謎の敵が襲いかかる。本作は、光と闇を活かしたゲームプレイが特徴。また、アラン自身がまだ手をつけていないはずの新作小説の存在が謎を呼ぶ、ドラマ性の高いストーリー展開も魅力となっている。
リマスター版には、ゲーム本編に2種類の拡張コンテンツが同梱。そしてグラフィックがアップグレードされ、解像度とフレームレートの向上も実施された。そして本作の発売後には、オリジナル版に迫る高評価をメディア・ユーザー双方から獲得。新規ユーザーはもちろん、オリジナル版をプレイ済みのユーザーにとっても、プレイする価値があるとの評もみられる(Metacritic)。
ただ今回のRemedy Entertainmentの発表によると、現時点で本作のロイヤリティは受け取っていないとのこと。同スタジオがEpic Games Publishingとどのような契約を結んでいるのかは不明であるが、一般的には損益分岐点を超え利益が出たタイミングからロイヤリティが発生する契約が多い。本作は高評価を獲得し、新たにPlayStationプラットフォームでも展開されたが、売れ行きとしては満足いくものとなっていないのかもしれない。もっとも、新たにNintendo Switch版が発売されたばかりのため、これからさらに売り上げを伸ばしていくことになるだろう。
Remedy Entertainmentは、ロイヤリティについては作品ごとにさまざまな要件があり、同社がコントロールできるものばかりではないとコメント。そのうえで、2021年末から2022年前半にかけて発売した直近の作品については、何年にもわたって売れ続けるものと想定しているとのこと。『Alan Wake Remastered』からの収益についても、同社は長い目で見ているようだ。
今回の業績発表ではこのほか、『Crossfire』(おそらく今年2月に発売された『CrossfireX』のこと)についてもまだロイヤリティを受け取っていないと報告された。新作『Alan Wake 2』については、2023年のローンチに向けて開発を本格化させているという。プレイテストを実施し、そのフィードバックを得ながら開発を進めているところで、素晴らしい作品としてリリースできるだろうとの感触が伝えられている。
また、Rockstar Gamesと提携して制作する『Max Payne』と『Max Payne 2: The Fall of Max Payne』のリメイク版については、現在は小規模チームによる作業中。『Control』のスピンオフ作品「Codename Condor」は、コンセプト制作段階とのこと。テンセントと共同販売する基本プレイ無料の協力マルチプレイゲーム『Vanguard』に関しても、コンセプト制作段階であると報告された。