カプコン、ゲーム販売本数の約半分がPC向けと報告。“PC向けメイン”のソフト展開で好調を維持


カプコンは10月26日、2023年3月期第2四半期の業績を発表。その質疑応答の場にて、同期のコンシューマ向けゲーム販売本数におけるPC向けソフトの比率が、約50%に達していることを明らかにした。

カプコンは2023年3月期第2四半期には、大型の新作として『モンスターハンターライズ:サンブレイク』を発売。これまでに440万本を売り上げている。そして、同作の本編である『モンスターハンターライズ』や『バイオハザード RE:3』『デビル メイ クライ 5』などシリーズ作を中心としたリピートタイトルの販売などにおいて、デジタル販売を積極的に推進したとのこと。その結果、販売本数におけるダウンロード版の比率は91.5%となり、パッケージ版を大幅に上回った。また、家庭用ゲームソフトの販売本数は2130万本で、前年同期(1980万本)を上回っている。

今回の質疑応答で、第2四半期のコンシューマ向けゲーム販売本数におけるPC向けの比率について問われた同社は、「旧作を中心に伸長しており、約50%です」と回答した。なお、今年7月の第1四半期の業績発表時にも約50%と回答していたため、その比率を維持した格好となる。上に挙げたタイトルを含め、同社はマルチプラットフォーム展開することが多い。そのなかで、PC向けソフトの存在感の強さが際立つこととなった。

Image Credit: カプコン


今年10月には、Steamでの同時接続プレイヤー数が初めて3000万人を突破しており、PCゲーマーが増加していることがうかがえる。PS5やXbox Series X本体の品薄が続いていることも、後押しになっているのかもしれない。近年のカプコンは、コンソールとPCの両輪での展開を進めており、そうした状況がPC向け販売の増加に繋がった可能性がありそうだ。上述の回答にもあったように、新作だけでなくリピートタイトルの販売も好調なのだろう。

またカプコンは、かねてよりPC向けソフトの販売に力を入れていたことで知られる。同社の辻本春弘社長は昨年9月、自社のソフト展開について「PC向けをメインにする」と述べ、2022年中にも販売に占める割合を5割に高める方針を示している(日本経済新聞)。ちなみに当時の同社PC版ソフトの販売本数比率は、約4割と発表されていた。それから販売本数比率を伸ばし、今年目標を達成した格好となる。同社は、グローバルで販売地域およびユーザー数の拡大に注力してきたという。

なお同社は、従前よりRE ENGINEを活用したマルチプラットフォーム展開を推進しているとして、PCゲームユーザーが増加したからといって、開発体制を変化させる予定はないとしている。また、2023年3月期第4四半期に大型新作を投入するため、通期でのPCの販売本数比率はやや低下すると見込んでいるとのことである。