『スプラトゥーン3』で“ガチャ儀式”に没頭する人々が続出。裏引きから五芒星まで、人々は祈らずにいられない

『スプラトゥーン3』コミュニティにて、“ガチャ儀式”なるものが流行しているようだ。くじ引きでなんとかしてレアアイテムを引きたい人々は、怪しげな行動をしているようである。

スプラトゥーン3』コミュニティにて、“ガチャ儀式”なるものが流行しているようだ。くじ引きでレアアイテムを引きたい人々は、さまざまな怪しげな行動をしているようである。


『スプラトゥーン3』では、くじ引き要素が存在する。カプセルの詰まったガチャガチャがロビーに置かれており、おカネを支払うことでアイテムをゲットする。これらのくじ引きで良いアイテムを引くために、怪しい儀式をするユーザーが数々目撃されている。

その種類は幅広い。たとえばインクでくじ引きの周りを塗るというオーソドックスなものから、スペシャルのバリアで包み込む、ビーコンをそばに置いて引くなど多彩。儀式としては一般的な、五芒星を描き出す手法も割とよく見られる。


そもそもの発端としては「後ろからくじ引きするとレア度が上がりやすい」という謎の風説が広がったことが大きいかもしれない。くじ引きは前からだけでなく後ろから引くことも可能。後ろから引けばレア度が上がるというのは、なんとなく裏技っぽさを感じることだろう。さらもレアアイテムを引き当てたと報告する人もいたことから、後ろから引くユーザーが続出したようだ。

なお、筆者はこの説を通じて5度連続くじ引きをしたが、フード/ドリンクチケットしか出なかった。5回回した程度では結論は出せないが、なんだか損した気分である。またあまりに考え込みすぎたユーザーの中には、くじ引きの前に「バカ」という文字を描き、そのあと後ろからくじ引きをした者も。くじ引きのヘイトを管理して、前に集中している間に後ろからレアアイテムを引き当てようという寸法だったようだが、結果はフードチケットであった。


と、このように人々はなんとかしてくじ引きの結果をよくするために、あの手この手を使っているのである。そもそもなぜ人々はここまでくじ引きに祈りを込めるのか。まず、くじ引き自体が容易には引けないことがあげられる。くじ引きは1日の最初の1回目のみ5000ゲソで引けるものの、その後は1回30000ゲソ支払うことになる。ゲーム内で得られるおカネとの供給バランスを考えると、1日1度は引けても、そう何度も引けるものではない。そのためユーザーたちは、1度引くことに祈りを込めているわけだ。


さらに、今作ではアイテムの種類も幅広く、希少価値の高いアイテムが存在していることも関係しているだろう。くじ引きからは、さまざまなアイテムが排出される。ドリンク/フードチケットから、ギアパワーのかけら、オキモノ、ステッカー、カードパック、ネームプレート、そして二つ名だ。さらにこれらのアイテムの中にはレアアイテムも存在。専用のカプセルから排出されるレアなネームプレートや二つ名、そしてギアパワーのかけらが存在するのだ。

ネームプレートや二つ名は、マルチプレイ時には必ず表示される自分の名刺だ。そこでレアなネームプレートや二つ名を誇示できれば、ちょっと気分良くなれることだろう。黄金のネームプレートを背景に「大大吉の」「ラッキーマン」といった二つ名をつけてナワバリバトルに行こうものならやはり目立つ。といったように、くじ引き自体が頻繁に引けないことや、それぞれのアイテムに魅力があったり希少性があったりすることで、人々は偽りの神に縋ってでも、良いものを引きたいと願っているのだろう。またこれらのアイテムでは期間限定のものもあることから、収集意欲を掻き立てられるのかもしれない。


実際に儀式をしたり後ろから引いたりすることでレアアイテムを引けるかどうかは定かではない。というか、おおかたでまかせだろう。とはいえ、くじ引きの結果に願いを込めた結果奇妙な行動をとりだすのは、ファン文化として非常に面白い。くじ引きのたびに毎回五芒星を描くのは相当面倒臭いと思われるが、そうした手間をかけてもレアアイテムを引きたい人もいるのだろう。ほかのゲームでも同様の“ガチャ儀式”は存在するが、本作は3Dゲームで塗りができる自由度の分、ゲーム内での祈りの幅も多彩。アイデアやセンスに富む『スプラトゥーン』ファンらしい行動だといえそうである。

こんな拙いイラストを描くだけでも結構大変。ブキ選びから考えなければいけない


『スプラトゥーン3』はNintendo Switch向けに発売中。


※ The English version of this article is available here

Ayuo Kawase
Ayuo Kawase

国内外全般ニュースを担当。コミュニティが好きです。コミュニティが生み出す文化はもっと好きです。AUTOMATON編集長(Editor-in-chief)

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