Scavengers Studioは10月18日、『SEASON: A letter to the future』がSteamにて10万ウィッシュリストを突破したことを報告した。ゲームが発売前にして大きな期待を集めていることを、開発元が自ら示唆している。
『SEASON: A letter to the future』は、自転車旅アドベンチャーゲームだ。本作の世界には季節の移り変わりが存在せず、ひとつの季節はひとつの時代にあたるという。季節が終わるごとに、謎の大災害による世界の崩壊を繰り返しているのだ。そしてまた、ひとつの季節が終わりを迎えようとしている。主人公のエステルは、思い出を集めて今の世界を記録すべく、故郷を離れ未知なる外界へと旅立つ。
プレイヤーはエステルとなり、自転車に乗って世界を探索する。彼女のバッグにはカメラや録音機などが入っており、好きな場所で自転車から降りて、撮影や録音が可能。アート作品や建造物、あるいは何気ない光景を写真に収め、聴こえてくる音や音楽などを録音する。また、旅先ではさまざまな人物との出会いがあり、彼らの話を聞くなかでは、重要な情報を得られたり、心を通わせる瞬間が生まれたり。そして、集めた記録はエステルの日記に集約され、未来への手紙となる。
同作はPS4/PS5/PCにて発売予定。PCにおいては、先日Steamでデモ版が配信されていた。デモ版はさまざまなメディアやインフルエンサーにプレイされており、活況を呈していたようだ。そうした露出の成果もあってか、本作のSteamのウィッシュリスト登録数が10万を突破したようである。
ウィッシュリストはいわゆる欲しいもの機能だ。気になるタイトルをウィッシュリストに登録しておけば、その配信開始時やセール時に通知を受け取ることができる。Steamのデータを収集する非公式データベースSteamDBではウィッシュリストランキングなるものも作成されており、たとえばウィッシュリストランキングの近日発売カテゴリでは、現在は『ホグワーツ・レガシー』がトップ。同作は世界的な人気小説「ハリー・ポッター」シリーズをもとにしたゲームだけに、ユーザーの期待も大きいことだろう。といったように、ウィッシュリスト数が多いということは、それだけ期待を集めているということでもあるのだ。
昨今ではよく売れたゲームは、出荷本数や売上本数の一定数達成発表がメーカーから発表されることがある。これはある種のPRのひとつでもある。今回のウィッシュリスト開示もまた、そうしたPRと似た手法だろう。とはいっても、ウィッシュリストがどれだけ売上につながるのかは不透明。ウィッシュリスト登録が購入につながる率としては、かなり数としてのバラつきがあるようだが、平均として23%ほどとのこと(2016年時点でのValveによる報告)。
とはいえ、ウィッシュリストが多いと誇示することは、勢いのあるゲームと認知されることにつながることだろう。開発元も10万ウィッシュリスト達成について報告しつつ、この数字について「大きい」と描写している。Scavengers Studioは今回の発表に際して、インディー向けマーケティングサポート会社Indie Legionに感謝を述べている。ウィッシュリスト報告もまた、そうした会社と共に仕掛けているマーケティングの取り組みのひとつなのかもしれない。
『SEASON: A letter to the future』は、PS4/PS5/PC(Steam/Epic Gamesストア)にて発売予定だ。