『Dead by Daylight』ウェスカーは殺傷率・使用率ともにトップキラー。9月の集計データが示す“殺人鬼の変化”

Behaviour Interactiveは10月17日、『Dead by Daylight』(以下、DbD)の各殺人鬼の殺傷率に関するデータを公開した。今回公開されたデータは、2022年9月の1か月間で集計されたものだ。

Behaviour Interactiveは10月17日、『Dead by Daylight』(以下、DbD)の各殺人鬼の殺傷率に関するデータを公開した。今回公開されたデータは、2022年9月の1か月間で集計されたものだ。7月にDbD史上最大規模の大型ゲームバランス調整がおこなわれてから、開発側が目標としていた、殺人鬼の全体的な殺傷率の向上が達成できていることを示すデータとなっている。

このデータにおける殺傷率とは、「儀式から脱出できず死亡する生存者の割合」を指している。フックに吊られて処刑される以外にも、時間切れにともなうエンティティによる直接処刑や、瀕死のまま失血死する、メメント・モリなど、あらゆる生存者の死亡が含まれている。儀式には生存者4人が参加しているため、2人が死亡した場合はその儀式における殺傷率は50%、ということになる。各殺人鬼の戦績を判断するために、開発側が参照しているデータのひとつが、この殺傷率となっている。

今回公開されたデータによれば、全レーティングにおける各殺人鬼の殺傷率は52~63%ほど。平均殺傷率は59.1%で、6.1.0アップデート以前では全体で51~53%だったという殺傷率が大きく向上している。殺人鬼が恐怖の存在として、より力を振るえるように施されたバランス調整が、実を結んだ形となる。

全レーティング内において、特に高い殺傷率を誇っているのがゼノバイト、怨霊(貞子)、ウェスカーの3名だ。これらの殺人鬼は殺傷率が63%を超えており、最下位のナースと比較して10%以上も差が開く結果となった。ナースはその操作難度から上級者向けの殺人鬼であり、以前のデータでも殺傷率は低い傾向にあった。そうした点を考慮しても、ゼノバイト、怨霊(貞子)、ウェスカーとナースの殺傷率差は大きい。上位3名の殺傷率は、非常に高い数字といえるだろう。

さらに各殺人鬼の殺傷率は、レーティング上位5%に絞り込んだ統計データも公開されている。高いレーティングを維持する上級者では、ウェスカーが殺傷率65.82%と非常に高い数字を残す結果となっている。こちらでは最下位となるトラッパーの殺傷率は56.36%であり、15%近い差が生じている。ウェスカーに継ぐ殺傷率を誇るプレイグの63.13%という数字も、全体と比較してみれば十分すぎる結果だろう。しかしウェスカーの高すぎる殺傷率の前では、いささかインパクトに欠けてしまうものがある。


殺傷率のほかには、同期間における各殺人鬼の使用率も公開されている。こちらも全レーティングとレーティング上位5%で、それぞれ別の統計データがまとめられている。注目したいのは29種類の殺人鬼の中で、使用率10%を超えているのはウェスカーだけ、という点だろう。レーティング上位に至っては特に顕著で、その使用率は25%という驚くべき結果になっている。

レーティング上位においては、マッチで勝率を維持するために、その環境において強いとされる殺人鬼を使用する人も多い。実装されてから数多くの生存者にトラウマを植え付けてきた殺人鬼、ナースの使用率が2番目に高いことからも、その傾向は無視できないものと思われる。ではウェスカーは現環境において最強の殺人鬼なのか。その点については、ユーザーの間でも意見が別れるところだろう。現に公式Twitterのツイートに対しては、今回の統計データに対して訝しむユーザーの反応がいくつも寄せられている。

ウェスカーの殺傷率の高さについては、新しく実装されたばかりの殺人鬼で、生存者が対応できず”初見殺し”されていたからではないかという意見もある。また、ウェスカーの圧倒的な使用率については、統計をとった期間の都合という指摘も存在。新殺人鬼としてウェスカーが実装された直後のデータでは、たしかに目新しさから使っていたプレイヤーの多さが反映されているとも考えられる。

しかし同時に、日本ではその使用率に対して、ウェスカーとそれほど遭遇していないという反応もあった。ウェスカー以外にも、ユーザーの体感による殺人鬼の遭遇率について、ほかの殺人鬼の使用率データとも合致しない部分があるようだ。これについてはゲームをプレイする国や地域によって、使用率に違いがあるのが原因ではないかという推測がなされている。

当然ながらゲームバランス調整は、この殺傷率だけを考慮しておこなわれているわけではない。そのほかにも、さまざまな要素を考慮した上で、調整をおこなっていると開発側は説明している。今回のデータから明確にわかることは、大型ゲームバランス調整の結果、殺人鬼の殺傷率を向上させるという開発側の目的は、ひとまず無事に達成できたということだ。

また開発側は今後も引き続きモニタリングをおこない、全体的なゲームバランスを調整していくとのこと。ユーザーとしても、あくまでも今回の統計データは参考程度に留め、総合的に殺人鬼の強さを評価していきたいものだ。なお各殺人鬼の殺傷率および使用率についての全文は、こちらの公式サイトからチェックすることができる。

蒼唯レン(VTuber)
蒼唯レン(VTuber)

自分のことをジーニアスだと思い込んでいる物書き系個人VTuber。FF14とドルフロをこよなく愛する特撮オタク。

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