魔物が少女をまもるRPG『メグとばけもの』デモ版公開&発売延期。対応機種を増やすため
デベロッパーのOdencatは9月29日、アドベンチャーRPG『メグとばけもの』のデモ版をSteamストアページで公開した。それと共に、当初今年10月と発表されていた製品版配信日は、2023年初頭に延期すると発表。新たなプラットフォームへの対応が理由とされている。なお、本作の対応プラットフォームはPC(Steam)およびNintendo Switchで、新たな対応プラットフォームについてはいまのところ明かされていない。
『メグとばけもの』はアドベンチャーRPGだ。物語は一人の少女が魔界に迷い込むところから始まる。この少女メグは、泣くと世界が滅びるかもしれないという不思議な能力の持ち主だ。主人公のばけもの・ロイと相棒ゴランはこの少女の特殊性を悟り、必死に機嫌を取りながら人間界に戻す方法を模索する。その過程で一行は、魔界のいろいろな場所をめぐって、さまざまな魔物や出来事に直面することになる。
魔界には彼らのほかにも多くの住人達がおり、ばけものたちは人間を文字通り食い物にしている。人間の子供を連れて歩いているロイたちは、ときに因縁をつけられて戦闘になることも。ロイは図体がでかく、HPは99999とカンスト状態。バトルが始まったところで、敵の攻撃などあってないようなものだ。背後のメグを攻撃からかばうこともたやすい。しかし問題はメグの精神面。小さい子供の心は容易に傷ついてしまう。目の前で戦闘が繰り広げられ、怖がって泣いてしまえば、世界は崩壊してしまう。プレイヤーが管理すべきは主人公のHPではなく、その後ろにいるメグの「こころ」なのだ。ロイは人間界から廃棄されたおもちゃを使ってメグをあやしつつ、敵を攻撃せねばならない。
筆者もさっそくデモ版をプレイした。戦闘画面は見慣れたフォーマットながら、だからこそ怪物が少女を守るという設定の妙が際立つ。主人公のロイはHPが高く、死なないとはわかっていても、ダメージによりHPバーは少しずつ削られる。身を挺してメグを守っている感覚が伝わる仕組みだ。メグは戦闘においては当然役に立たないものの、かよわく守るべき対象がすぐ後ろにいる、その心理的影響を見越した演出となっている。敵となるキャラクター(ばけもの)たちもなかなか個性的だ。ドット絵で描かれたキャラからは絵本のような風合いも感じ、表情の豊かさも伝わる。まずはデモ版で雰囲気に触れてほしい。
なお、今回の開発元発表によれば、発売時期は2023年初頭とのこと。当初は今年10月に発売と発表していたが、延期された形だ。Odencat公式Twitterはこの延期について「マルチプラットフォーム対応や、ゲーム本体に磨きをかける」ためだとしている。
本作を手がけるOdencatは、過去にスマートフォン向けアプリ『クマのレストラン』や『フィッシング・パラダイス』をリリース。いずれもPC(Steam)向けに移植されており、各アプリストアやSteamのユーザーレビューにて高評価を受けている。『メグとばけもの』については、バトル要素など今までの同スタジオ作品にはなかった要素が盛り込まれているとのこと。また本作は同スタジオとして、はじめてモバイル以外に向けてゼロから制作する意欲作とのことだ。
『メグとばけもの』はPC(Steam)/Nintendo Switchのほか、未定のコンソール向けに2023年初頭に配信予定。本作は10月3日から開催のSteam Nextフェスにも参加する予定だ。開発者によるストリーミングがおこなわれる模様である。
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