ゲーム開発者らが「初めてゲームを制作する人への、もっとも大事なアドバイス」をSNS上に続々投稿。“ある意見”だけダントツで多い

 

近年は、UnityやUnreal Engine、GameMakerなどをはじめとして、無料で使い始めることができるゲームエンジンがさまざま提供され、ゲーム制作のハードルはかつてより下がったといえる。そうしたツールを使って、ゲームを作ってみようという人も増えているかもしれない。初めてのゲーム作りに挑み、分からないことだらけの方も多いだろう。

インディーゲームイベントIndieCadeの公式Twitterアカウントは9月12日、「初めてゲームを制作する人への、もっとも大事なアドバイス」を、現役のゲーム開発者から募集。数多くの投稿が寄せられているため、本稿ではいくつか紹介したい。

まずid Softwareにて『DOOM』や『Quake』などを手がけたことで知られるゲームデザイナーJohn Romero氏は、小規模な作品から始めるようアドバイス。完成までやり遂げることができる規模のものを、まずは作ってみるべきだとした。

Guerrilla Gamesにて『Killzone』シリーズなどに携わった経歴をもつSeb Downie-Blackwell氏も、「小規模でシンプルなもので構わないから、とにかく完成させリリースするんだ」とアドバイスする。そうした経験を重ねることで、開発のプロセスやツールの扱いに慣れていくとのこと。

ユービーアイソフトやWB Gamesなどを経て、現在はUnityに勤めるOsama Dorias氏もまた、夢に描いたゲームではなく、思いつく限りもっとも小規模な作品を作るべきだとコメント。さらに、それを完成させることが何よりも大切だとし、完璧を目指す必要はないと語っている。

『マインクラフト』の開発元MojangのエグゼクティブプロデューサーDavid Nisshagen氏は、小さなゲームを作ってはリリースすることを繰り返すようアドバイス。そうするなかで経験が蓄積され、少しずつ大きな作品を作れるようになっていくとした。

3D Realmsの共同設立者で『Duke Nukem』シリーズに携わったGeorge Broussard氏は、楽しむことが第一だとしたうえで、超短いゲームを作って完成させるんだとコメント。『PONG』や『スペースインベーダー』のクローンでも良いので、途中で諦めず、完成させることが大事なのだと述べる。

また『Dead by Daylight』などで知られるBehaviour InteractiveのシステムゲームデザイナーNigel Soederhuysen氏は、可能な限り小規模なプロジェクトを計画し、それをさらに半分に縮小して取りかかることを勧めている。そして、良いゲームを作ることより、完成させることを優先すべきだとアドバイスした。

最初に作るゲームは、規模を小さく抑えて、完成までやり遂げ、そしてリリースする。ここまでそうしたアドバイスばかりをあえてピックアップして紹介したが、実は寄せられた開発者アドバイスの大部分が同様の内容だった。開発者ら自身が実際に得た教訓なのかどうかは不明ながら、基本中の基本として、経験あるゲーム開発者にとって共通認識となっているのだろう。

なかには、お気に入りのアイデアは将来成長した時のために取っておき、無駄になっても後悔しないアイデアから始めるべきだとか、そうした手法であってもモチベーションが続く題材を選ぶことが大事であるといった意見もみられる。また、最初は酷いゲームが出来上がるだろうとの前提を示しつつ、楽しんで作ったという経験が大切だという意見も多かった。ほかにもさまざまなアドバイスが投稿されているため、興味のある方は当該スレッドを覗いてみてはいかがだろうか。