足だけで『スプラトゥーン2』ウデマエXに到達したVTuber現る。最新作の発売直前、滑り込みで伝説達成

VTuberの天草ミロさんは9月7日、手を使わずに足だけでプレイする縛りプレイで、『スプラトゥーン2』におけるウデマエXに到達した。『スプラトゥーン3』発売前の勲章。

シスターVTuberの天草ミロさんは9月7日、手を使わずに足だけでプレイする縛りプレイで、『スプラトゥーン2』におけるウデマエXに到達した。2021年8月14日から試みてきた無理に思える挑戦を、見事目標達成という形で終止符を打った。

『スプラトゥーン2』は、任天堂より発売中のアクションシューティング。ヒトの姿になれるイカ、あるいはタコとなったプレイヤーが、インクを塗りあうナワバリバトルを繰り広げる『スプラトゥーン』シリーズの第2作目だ。

本作のオンライン対戦においてはナワバリマッチとガチマッチが用意されている。ナワバリマッチは前述のとおり、どちらがインクを多く塗ることができたかを競うベーシックなモードだ。一方、ガチマッチはただインクを塗るだけではない、特殊なルールで実力を競うモードになっている。ガチマッチでは、複数あるルールごとにウデマエと呼ばれるランクが存在し、勝利を重ねることで上のウデマエへと昇格できる。反対に、敗北を重ねると下のウデマエへと落とされてしまう。

ハイカラシティでは、ガチマッチにまつわるプレイヤーの悲哀の声も聞こえてくる


そんなガチマッチの各ルールで勝利を重ねることで、C-からスタートしたウデマエがC、C+、B-、B……と上昇していく。A+の次にはSとなり、その後はS+0~9、そして、S+9から昇格することでウデマエXとなる。全20段階を乗り越えた後の最終段階となるウデマエXに到達するには過酷な道だ。そしてウデマエXになってからもXパワーという指標をめぐりさらに険しい戦いが繰り広げられるのだ。

その過酷な道を「足だけ」で乗り越えるプレイヤーが生まれた。シスターVTuberとして活動する天草ミロさんだ。手を使わずに足だけでプレイをし、ウデマエXに到達する偉業を成し遂げた。それは企画当初から目標に掲げていた、『スプラトゥーン3』発売までという条件にギリギリ滑り込んだ形となった。

Image Credit : 天草ミロ / 任天堂


9月7日、天草さんは低気圧による頭痛を訴えつつ、Twitchでライブ配信を開始。天草さんの姿と『スプラトゥーン2』のゲーム画面、そしてコントローラーと足による、手元映像ならぬ足元映像が映り込んでいる、なかなかシュールな画面だ。

天草さんはガチマッチのルールの1つ、ガチエリアをウデマエS+8から再開し、勝利を重ねる。ここまでの操作は、メニュー画面を含めてもちろん足のみだ。足で操作しているとは思わせないその動きは凄まじい。コントローラーには独自のボタン割り当てをし、足元の動きも洗練されている。急な反転など、足だけでは対応しにくい操作をなるべく求められないようにしている立ち回りも見どころだ。

また、天草さんが今回のマッチで使用したブキは、ランク28から使用が可能になるヴァリアブルローラーフォイル。サブでキューバンボム、スペシャルウェポンでマルチミサイルを使用可能なローラーだ。ローラーの縦振りによる長い塗り範囲が特徴で、必要なスペシャルゲージ量が少ないマルチミサイルを複数回撃ちやすい、メインとスペシャルの性能が噛み合ったブキとなっている。

通常プレイ時はシューターを使って華麗に相手を撃破する天草さんだが、足プレイにはシューターほど細かいエイムを要求されない、ローラーの性能が噛み合ったのだろう。とはいえ、足プレイに慣れていくうちに、ローラーでもその持ち前のエイム力で華麗な撃破を見せてくれることになる。ちなみに、足プレイでヴァリアブルローラーフォイルに至るまで、ほかのローラーやシューター、スロッシャーなども試している。

Image Credit : 天草ミロ / 任天堂


そして、あと1勝でウデマエXに到達できそうという段階で、最終章と銘打って配信プラットフォームをYouTubeへ切り替えた。次のガチエリアのステージはアンチョビットゲームズ。天草さんは塗りを中心とした動きを見せる。ヴァリアブルローラーフォイルの縦振りで広い範囲を塗り、マルチミサイルで遠距離から相手を牽制。苦手とする遠距離からの攻撃を仕掛けてくるチャージャーも、インクに潜って大胆に接近して撃退するなど、有利な状況を作っていた。そういった前に出過ぎない落ち着いた動きで勝利をもぎ取り、ウデマエXへと昇格することになった。ほとんど塗りしかしていなかったため、終わりにしては締まらない、と本人は若干不服そうではあったが、天草さんの状況をしっかりと把握した立ち回り重視の動きと、チームの連携が上手く取れた結果の勝利ではないだろうか。

約1年1か月をかけて偉業を達成し、感極まりながら喜びを伝える天草さん。それをリアルタイムで見届けた視聴者たちも祝福のコメントを贈っていた。天草さんが伝説達成を報告したツイートに対しても、多くの人が祝福の声を届けている。

ちなみに天草さんは、当然ながら通常プレイでもウデマエXに到達している実力者だ。今回の挑戦以前には、足のみで『スプラトゥーン2』の1人プレイモードであるヒーローモードクリアにも挑戦し、達成している。このヒーローモードのクリアは、足操作でのキャラクターコントロールを磨くという目的があったようで、言わば今回のウデマエXへの前哨戦とも言えるだろう。

足でヒーローモードに挑み始めた頃を見返してみると、そのプレイングはまるで手でプレイし始めたばかりの人のようで、見るからにおぼつかない。しかし、それが地道な努力の積み重ねによって、ウデマエXに到達する頃には、手でプレイしているプレイヤーと普通に渡り合っている。この成長過程は、自分も続ければきっと上手くなると思わせてくれるはずだ。

天草さんは「立ち回りがあればウデマエXになれる」という証明のため、手を使わずに足操作のみでガチマッチへの挑戦を始めたという。そんな縛りプレイで実際にウデマエXになったことは、立ち回りが重要なゲームであることの証明に違いないだろう。

また、足プレイの際にはコントローラーを床に置いていた。その位置を固定しなければいけない関係で、『スプラトゥーン』シリーズのエイムにおいて有利だという意見が多いジャイロ操作が使用できなかった。ジャイロ操作が苦手という声も聞こえる本作で、スティック操作のみでウデマエXになった天草さんの足プレイは、スティック派へのエールにもなるのではないだろうか。ただの縛りプレイとしてではなく、そういった部分でも参考にしてほしい。

最新作『スプラトゥーン3』は9月9日、Nintendo Switch向けに発売予定。ちなみに天草さんは『スプラトゥーン3』で足プレイをするか、まだ考え中とのことだ。



※ The English version of this article is available here

Koutaro Sato
Koutaro Sato

何でも遊びますがメトロイドヴァニアとトレハン、ゲーム内の釣りが大好物。クリエイターやプレイヤーの人となりと、彼らが生み出す盛り上がりが大好きです。

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