電子回路設計&プログラミングシム『Shortcuit』Steamにて体験版配信。Arduino風マイコンとC++言語でバーチャル実験

デベロッパーのKoiJamは9月6日、電子回路設計&プログラミング学習ゲーム『Shortcuit』の体験版を、PC(Steam)向けに配信した。現状リリースの目処も立たないことから、現時点でのビルドを体験版として無料配信することにしたそうだ。

デベロッパーのKoiJamは9月6日、電子回路設計&プログラミング学習ゲーム『Shortcuit』の体験版を、PC(Steam)向けに配信した。

https://www.youtube.com/watch?v=u-RODJyxBW0

『Shortcuit』は、プログラミング言語C++と電子工学を学ぶことができる学習用サンドボックスゲームだ。オープンソースで提供されているワンボードマイコンArduinoがゲーム内に再現されており、組み上げたコンポーネントの動作を、C++にてプログラムすることができる。

マイコンボードには、Arduino UnoをシミュレートしたShortcuit Unoが実装。このほか、ブレッドボードやトランジスタ(BC550C)、抵抗器(E12・ポテンショメータ)、ダイオード(1N4148)、超音波距離測定センサー、また各種スイッチやモーター、LED、液晶ディスプレイ、バッテリーなどのパーツが用意される。

そしてプログラミングは、本作に実装されたコードエディタを使いC++にておこなう。エディタには、基本的なオートコンプリート機能や出力ウィンドウ、プログラムの検証に使えるシリアルモニターも用意。なおコンパイルには、Arduinoが提供しているArduino CLIソフトウェアを利用することになるとのこと。


本作のShortcuit Unoは、Arduino AVRのアーキテクチャが再現されており、Arduino用に書いたコードを活用することも可能とのこと。また、ブレッドボードを使って回路設計をおこなう際には、何か問題があれば警告表示が出て、原因を調べることが可能だという。

本作を使った作例としては、ミニカーをコース上で自動走行させたり、LEDを使ったドット表示の『PONG』を制作したり、あるいは数字の7セグメント表示を物理的に再現したり、といったものなどが提示されている。本作には先述した電子パーツだけでなく、それらと組み合わせて使用できるさまざまな形状のオブジェクトも収録。それらを組み合わせたり、サイズを変えたりしながら、アイデアを形にすることができるわけだ。

本作の開発元KoiJamは、電子回路制作シミュレーションゲーム『Short Circuit VR』を手がけた、Stefan Bauwens氏とCindy Ho氏のチーム。両氏は『Shortcuit』の開発費を募るため、今年7月にKickstarterキャンペーンを実施したが、十分な金額が集まらず失敗。追加の資金なしではフルタイムでの開発を継続することはできず、現状リリースの目処も立たないことから、現時点でのビルドを体験版として無料配信することにしたそうだ。

『Shortcuit』の体験版はPC(Steam)向けに配信中。この体験版を通じて、十分な需要があることが今後確認できれば、本プロジェクトを続行することを検討するとのことである。

Taijiro Yamanaka
Taijiro Yamanaka

国内外のゲームニュースを好物としています。購入するゲームとプレイできる時間のバランス感覚が悪く、積みゲーを崩しつつさらに積んでいく日々。

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