Windowsのファイル移動グラフを「アクションゲーム化」するプログラムが出現。”いつものアレ”に着陸する暇つぶしゲームに
デスクワークとは時に待ち時間との戦いでもある。インターネットの高速化に合わせてデータの肥大化も進む昨今、写真・動画などのデータを移動するだけで数分待たされるといったことも少なくない。こうした「ファイルをコピーしている間の待ち時間」に遊べる、暇つぶし用のプログラムが話題になっている。
「Copy Dialog Lunar Lander」は、Windowsのコピーダイアログを2Dアクションゲームにしてくれるプログラムだ。このプログラムを実行している状態でファイルをコピーすると、プログラムがコピーダイアログを自動的に検知。ダイアログのグラフ上に月面着陸のポッドを描画し、ミニゲームが遊べるようになるというものだ。9月4日にGithubで公開されたこのプログラムはTwitterでも話題になり、紹介したツイートはすでに2万件の「いいね!」を獲得している。
このプログラムでは、コピーの進捗を示すグラフを「デコボコした月面」に見立てた月面着陸ゲームがプレイできる。方向キーでスラスターを噴射してポッドの水平を維持し、安全な月面着陸を目指すミニゲームだ。うまく着陸できずに横転したり、スピードが出ている状態で衝突すると着陸失敗。ポッドは無残にも爆散してしまう。
ダイアログのグラフは「時間あたりの処理量」を示しており、コピー処理が不安定な時ほど大きく乱高下したグラフになりやすい。そのためPC内でファイルを移動すれば比較的起伏の少ない月面に、「規格の古いUSBメモリから大量のファイルをコピー」「VPN経由でコピー」といった不安定になりやすい処理を実行すれば、山あり谷ありの過酷な月面にチャレンジできる。さまざまな要因で変化するグラフを利用した、ユニークな試みだ。
なお、Windowsの機能を利用してステージにちょっとした変化をくわえることも可能。このコピーダイアログは通常「白地に緑」で表示されるが、コピーの一時停止中は「白地に黄色」の表示に変化する。さらにWindowsの設定からハイコントラストモードをONにしたり、色の設定を変更することで、全く異なるカラーリングの惑星に着陸することも可能だ。
本プログラムはMITライセンスにて配布されている。これは定められた条件の範囲内で、作者以外のユーザーのプログラムの変更・再配布を許可しているライセンスだ。作者のSanakan8472氏なるユーザーは本プログラムのReadmeテキストにおいて、このプログラムに手を加えることで別の新たな「コピーダイアログゲーム」を作成することも可能だと述べている。技術が発達しても未だ撲滅しきれない「待ち時間」に対抗する、さらなる暇つぶしプログラムの登場に期待したい。
「Copy Dialog Lunar Lander」はGitHubにて公開中。プログラムを実行するにはWindows 10、およびVisual StudioなどのC#実行環境が必要になる。また本プログラムはあくまでコピーダイアログにミニゲームの描画を追加するだけのものだが、くれぐれも自己責任で実行してほしい。