TRPGセッションぶち壊しカードゲーム『Munchkin Digital』発表、今秋配信へ。大ヒットボードゲームがデジタル化
インディーゲームスタジオDire Wolfは9月3日、『Munchkin Digital』を配信すると発表した。PC(Steam)、iOS/Android向けに今秋の配信を予定している。
ボードゲーム『Munchkin』は、Steve Jackson Gamesが製作したTRPGライクなボードゲーム。TRPGにおいて自己中心的なプレイヤーを意味する「マンチキン」のプレイスタイルに全員が徹することになるのが特徴だ。2001年に発売された後も拡張版が数多く出されるなど、今なお根強い人気を誇るゲームである。本作『Munchkin Digital』は、その『Munchkin』のデジタル版として配信される。
『Munchkin』では、プレイヤーたちはダンジョンに潜り込み、時には協力しつつモンスターを倒すことになる。そして財物カードをゲットしたりレベルアップしたりしながら、さらなる奥地を目指して突き進んでいく、というのが基本的なゲームデザインとなっている。これだけ聞くと王道のダンジョン探索型テーブルゲームだが、肝となる要素は、ゲームの終了条件にある。
ダンジョン探索型テーブルゲームでの目的は、非協力の対戦ゲームであれば倒したモンスターの数を競ったり、最奥に到達するまでのターン数を競ったり。あるいは協力ゲームであれば、ダンジョン制覇に挑戦するのが一般的だろう。特にTRPGでは、その多くが完全な協力ゲームとして最終的なゴールを共有しており、自分本位なプレイはご法度とされているゲームも多い。
一方本作では、個々の戦闘アクションにおいては協力が可能ながら、最終的なゲーム終了条件は誰かがレベル10に到達すること。そしてそのプレイヤーが単独勝者となる。さらにこのシステムに交渉の要素が加わる。プレイヤーは、協力するか否か、するとしてどのような条件を付するかを自由に決められるのだ。これにより、相手が敵を倒せなさそうなときには、見捨てたり、手を差し伸べつつ対価を吹っ掛けたりと、まさにマンチキン的な、我の強いプレイが可能になっている。なお、戦闘に負けたプレイヤーも引き続きゲームに参加できるものの、持っていたアイテムや装備はほかのプレイヤーに奪われる。
ダンジョン探索型TRPGの世界観をモチーフに作られた本作。もちろん「ダンジョンズ&ドラゴンズ」シリーズなどに代表される定番のシステムも健在している。ダイスを転がして逃走の成否を決定する要素や、種族や職業によって異なる特殊能力など。この種のゲームのワクワク感がそのまま詰まっている。そんな人気ボードゲームのデジタル移植作となるのが、『Munchkin Digital』なわけだ。
今回開発を担当しているのは、『ROOT』や『SAGRADA』などボードゲームのデジタル移植に定評のあるDire Wolfだ。本作はSteamとスマートフォン向けに配信される予定だが、Steamのストアページによれば、クロスプラットフォーム対応などデジタルならではの遊びやすい機能も盛り込まれているようだ。またソロモードも搭載されるらしく、ほかのプレイヤーに気兼ねすることなく一人でじっくりと嫌らしい遊び方を堪能することもできそうだ。
『Munchkin Digital』はPC(Steam)、iOS/Android向けに今秋配信予定。