マイクロソフト、Activision Blizzard買収後の『Call of Duty』シリーズのPS向け展開についてさらにコメント。契約終了後も“少なくとも数年間”の提供を約束

Activision Blizzardの買収に向けて、現在各国の規制当局による審査に臨んでいるマイクロソフト。同社は今年2月、この大型買収について説明するなかで、Activisionが手がける『Call of Duty』シリーズの将来についても言及した。

Activision Blizzardの買収に向けて、現在各国の規制当局による審査に臨んでいるマイクロソフト。同社は今年2月、この大型買収について説明するなかで、Activisionが手がける『Call of Duty』シリーズの将来についても言及した。つまり、買収後には同シリーズがXbox独占になるのでは、という懸念への回答だ。その回答に関して同社は9月3日、海外メディアThe Vergeに対して、従来より一歩踏み込んで説明をした。

今年2月の発表にてマイクロソフトは、『Call of Duty』シリーズを含むActivision Blizzardの人気タイトルについて、(買収完了後も)既存の契約に基づいてPlayStationプラットフォームに提供する方針であるとコメント。さらに、その契約が終了した後も、将来にわたって提供を続けることをソニーに約束したとのこと。また、任天堂のプラットフォームに対しても、同様のアプローチで臨みたいとする考えを示していた(関連記事)。


今回、マイクロソフトのゲーム部門CEOでXbox事業を率いるPhil Spencer氏は前出のThe Vergeに対し、上述の方針は今年1月にソニーに提案し、合意していたことを明らかにした。ソニーがActivisionとのあいだで現在結んでいる契約が終了した後も、“少なくとも数年間(at least several more years)”は、『Call of Duty』シリーズをPlayStationプラットフォームに提供していくことを約束したそうだ。

Spencer氏がいう“数年間”が、具体的に何年間を意図しているのかははっきりしない。いずれにせよ、その期間が終了した後には、『Call of Duty』シリーズがPlayStationプラットフォーム向けにリリースされなくなる、という話ではないかもしれない。

同氏はソニーとの合意について、ゲーム内要素やコンテンツの同一性(feature and content parity)にも言及している。すなわち、Xbox版と同じ内容のシリーズ作品をPlayStationプラットフォームに提供する、ということが合意に含まれているとのこと。であるならば、合意期間終了後には、Xbox版に何らかの独占要素・コンテンツを用意しつつ、マルチプラットフォーム展開を継続するという可能性も考えられるだろう。

マイクロソフトによるActivision Blizzardの買収方針について、現在各国の規制当局によって進められている承認審査では、反トラスト法(独占禁止法)違反の恐れがないかなどについて調査されている。そうした背景もあり、マイクロソフトはこれまで作品の独占について言及することはほとんどなく、むしろ今回のようにオープンな姿勢を強調している。買収が完了した場合には、Activision Blizzardタイトルについて、実際にどのような舵取りをおこなうのか注目されそうだ。

Taijiro Yamanaka
Taijiro Yamanaka

国内外のゲームニュースを好物としています。購入するゲームとプレイできる時間のバランス感覚が悪く、積みゲーを崩しつつさらに積んでいく日々。

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